(ブルームバーグ):政府は30日、2026年度の実質国内総生産(GDP)成長率見通しを下方修正する試算を公表した。中東情勢の緊迫化に伴う原油価格上昇が経済活動を下押しすると見込んだ。
内閣府が「年央試算」として同日の経済財政諮問会議で示した。GDPは前年度比0.9%と昨年12月時点の同1.3%から引き下げた。うち過半を占める個人消費は1.3%増から0.9%増に、設備投資は2.8%増から2.3%増にそれぞれ下方修正した。消費者物価(総合)は1.9%上昇から2.2%上昇に引き上げた。
27年度は、高市早苗政権の危機管理・成長投資策の強化で内需の回復が続くとの見通しを踏まえ、実質GDP成長率を1.1%増と予測した。
年央試算は経済財政の先行きに関する政府の公式見解と位置付けられ、前年末に閣議了解した政府経済見通しを基に最新の動向を反映させて作成する。分析にあたっては、中東情勢の影響を注視することに加え、「海外経済の不確実性や金融資本市場の変動等の影響には十分注意する必要がある」としている。
試算を巡っては、民間のエコノミスト予測とのかい離がたびたび指摘される。ESPフォーキャスト調査では、26年度の実質GDP成長率は0.7%増、27年度は0.9%増と、政府よりも弱めの数字となっている。中東情勢の混乱などで先行きの不透明な状況の中、強い経済の実現を目指す高市首相にとっては、内需の持続的な成長が鍵となる。
PBに変化
同時に示した中長期の経済財政に関する試算では、25年度の決算や26年度補正予算などを反映した結果、財政健全化の指標として用いられる基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)に変化がみられた。
25年度のPBは、7兆円の赤字だった前回試算から2000億円の赤字に縮減した。26年度は1兆2000億円の赤字を見込むが、27年度には1兆4000億円の黒字に転換する姿を描いている。
政府が重視する債務残高対GDP比は、官民投資の効果や生産資源配分の効率化などが十分現れる場合には低下傾向で推移することを見込む。こうした効果が一定程度にとどまる場合は30年代後半に上昇に転じる。
高市早苗政権は、財政運営の目標に関して、債務残高対GDP比の安定的な低下を中核と位置付けた。歴代政権が財政健全化の指標として重視していたPBは複数年で管理するとし、景気動向などに応じて一時的な悪化も許容し得るとしている。
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