(ブルームバーグ):ゴールドマン・サックス証券は、日本のAI・半導体関連株は相応に調整したとし、企業の堅調な決算をきっかけに投資家の関心が再び高まる可能性があるとみている。
チーフ日本株ストラテジストのブルース・カーク氏はブルームバーグとのインタビューで、「地政学的状況が大幅に悪化すると考えない限り、現状はポジションを一部積み増すのに適した水準だ」と指摘。「AIの成長ストーリーが崩れたとは考えていない」と話した。
AIへの過剰投資や中国勢の参入による競争激化への懸念などから世界的にAI・半導体株の売りが強まり、ハイテク株の比重が高い日経平均株価は6月25日に付けた終値での最高値から約14%下落した。ここまで相場上昇をけん引していたキオクシアホールディングスは同期間の下落率が50%を超え、古河電気工業も40%に達している。
カーク氏は、株価水準が6月末から大幅に下がったことを踏まえると、投資家は決算で「AI関連企業の利益成長に再び注目できるようになる」とみる。ゴールドマンによると、東証株価指数(TOPIX)を構成する2、3月期決算企業(変動の大きいソフトバンクグループを除く)の第1四半期純利益は、市場予想で前年同期比26%増える見込みだ。
AI関連株への売りが終盤に近づいているとの見方は一部で広がりつつある。UBSは先週、機関投資家向けのプライムブローカレッジ部門のデータを基に、ヘッジファンドがモメンタム株や半導体株の買い持ちを縮小したと分析し、ポジションを再構築する好機になり得るとの見方を示した。米国でもモメンタム株が利益確定売りを経て魅力的な株価水準に達したと、バンク・オブ・アメリカ(BofA)が指摘している。
AI関連企業の利益見通しは、TOPIXの予想1株当たり純利益(EPS)拡大にも大きく寄与しているとカーク氏は話す。ゴールドマンは24日付のリポートで、TOPIXの12カ月後の目標値を4400ポイントから4500に引き上げた。28日終値から14%の上昇余地を示す。
投資家のポジションには依然として偏りが見られるため、短期的にはボラティリティーの高い状態が続くとカーク氏は予想している。ゴールドマンのプライムブローカレッジのデータによると、ヘッジファンドによる日本株のネットポジションが全体に占める割合は、過去5年間の高水準にある。
それでも、国内企業の力強い決算によって投資家の関心が再びファンダメンタルズに向かう可能性に同氏は期待。AI株が「底を入れたと判断しているわけではないが、相応に大きな調整は起きた」と話した。
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