高市早苗首相が政権支持率回復に向けて財政拡張策へ一段と傾斜した際には金利上昇と円安が加速しかねないと一部市場参加者の間で警戒感が強まっている。株式には重しになるとの見方だ。

報道各社の世論調査で高市内閣支持率は発足以来最低を記録した。野村証券の松沢中チーフストラテジストは、原因究明が進んでおらず政策転換より従来路線の強化へと突き進みやすいと予想。「リフレ強化に動いた場合、グローバル債券と円にとって脅威となる」と指摘した。日本株には政策執行力低下として直接的に悪材料となりやすいとみる。

支持率低下要因を首相自身は明確に説明していない。このため、市場では路線修正ではなく、支持率回復を狙って減税などの従来路線を一段と強める可能性を意識する見方が出ている。

SMBC日興証券の丸山凜途シニア金利・為替ストラテジストも、物価高対策への不満が支持率低下の背景にあるため、「対策強化へ一段と財政をふかす要因になる」と指摘した。食料品減税もやめれば支持率がさらに低下するため、実現可能性は高まったとしている。円安と金利上昇を促してきた財政拡張懸念が支持率低下で加速するリスクをみている。

株式

内閣支持率低下の株式への影響については債券や為替と異なり、指数を押し上げてきたこれまでの流れが阻害されるとの見方が出ている。SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は、極めて高い内閣支持率が政策の実現可能性を高めていた中で、人気に陰りが出てくると中長期的に日本株相場を押し上げる力が弱まる可能性があると話した。

大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト兼テーマリサーチ担当は先週付のリポートで、「自民党が大勝した郵政解散やアベノミクス開始時の解散でも解散後6カ月か8カ月で株価はいったんピークアウトしている」と指摘。今回も内閣支持率の急落で「高市ラリーが一服した懸念が出てきた」と述べた。

--取材協力:日向貴彦、堤健太郎、横山桃花.

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