27日の日本市場は株式が反発。中東情勢を巡る緊迫感が和らぎ、空運やサービス、自動車など幅広い銘柄に買いが入った。債券は上昇。有事のドル買いが一服し、円の対ドル相場は163円台半ばで堅調に推移した。

米国は2夜連続でイランに対する空爆を停止した。一方、イランは報復攻撃を控えていることを示唆するとともに、ホルムズ海峡を巡りオマーンと協議を行った。27日のアジア市場で原油先物は下落している。

りそなアセットマネジメントの下出衛チーフ・ストラテジストは、原油価格が下がっており、TACOトレード(トランプ米大統領が尻込みすることに賭けるトレード)が起きていると指摘した。

株式

TOPIX構成銘柄の約9割に当たる1464銘柄が上昇した。原油価格の下落を受けて空運や小売りの一角が買われたほか、任天堂やバンダイナムコホールディングスを含むゲーム関連株やベイカレントなどソフトウエア株が堅調だった。

半面、前週末の米半導体株安を嫌気した売りでキオクシアホールディングスやフジクラ、古河電気工業などの半導体・AI関連株は弱く、日経平均は下げる場面もあった。

岩井コスモ証券の川崎朝映シニアアナリストは、AIや半導体関連株の過熱感への警戒が続く中、投資家は割安な銘柄を物色していると指摘。AI関連株を買うために売られていたゲーム株などが「株価の出遅れや物色の広がり、半導体株の調整継続を背景に買い戻されている」と述べた。

個別銘柄では、モルガン・スタンレーMUFG証券が目標株価を引き上げた富士フイルムホールディングスが2年弱ぶりの高値に上昇。一方、2027年3月期通期の営業利益計画が市場予想を下回った信越化学工業のほか、第2四半期の営業利益が予想に届かなかった中外製薬は下落した。

債券

債券相場は上昇(利回りは低下)。原油高が一服し、米長期金利が低下した流れを引き継いだ。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、日本銀行執行部は早期利上げに前のめりではないとの報道が週末に複数出たことも中期ゾーンの安心材料になると指摘。ただ、財政・金融政策の先行き不透明感やインフレ懸念は根強く、「金利上昇は小休止に過ぎないかもしれない」とみていた。

高市早苗首相は27日、衆院予算委員会の集中審議で、日銀の金融政策運営に関し、金融の調整は「日銀がやるべきことであり、その手段も日銀に委ねられている」と言明。日銀法第4条に従い、「日銀と政府は緊密に連携を取り合っている」と説明した。市場の反応は限定的だった。

新発国債利回り(午後3時時点)

為替

円は対ドルで163円台半ばにやや上昇。米国がイランへの空爆を停止し有事のドル買いが一服している。

ただ、SBI FXトレードの上田真理人社長は「財政拡張懸念が強い上、政府の圧力で日銀の利上げが遅れればインフレ懸念も高まるため、円売り材料は消えていない」と語る。介入があっても効果は限定的で、ドルは160円を割り込まない可能性もあるとみている。

みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストはリポートで、米国のイラン攻撃停止が目先のドル・円の上値抑制要因となる可能性はあるが、必ずしも停戦再開や和平協議進展を意味しているわけではないと指摘。「ドル・円上昇の一服はあくまで一時的で、今週の日米金融政策決定会合を受けて再びドル高・円安圧力がかかるリスクは残っている」としている。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:アリス・フレンチ.

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