(ブルームバーグ):27日の日本市場では、米国・イラン間の軍事衝突の沈静化への期待感から株価は上昇しそうだ。また、有事のドル買いが一服する中、円は1ドル=163円台後半で強含む一方、投資家のリスク許容度の高まりにより、低金利通貨で調達し高金利通貨で運用するキャリー取引が手掛けやすく、ドル以外の通貨に対しては軟調だ。債券も原油価格下落でインフレ圧力が和らぐことへの期待から買われやすい。
今月中旬以降、約2週間にわたってイランを空爆してきた米国は、24日夜以降攻撃を停止。イランも報復作戦を休止したことを明らかにするなど、武力対立緩和への期待を高める動きが見られる。ブレント原油先物も早朝の取引で一時1バレル=90ドルを割り込んだ。エネルギー供給への懸念が和らぐことで、株式市場では幅広い銘柄が恩恵を受けそうだ。
ただ、24日の米国株式市場ではフィラデルフィア半導体株指数が4%超下落するなど、AI関連の設備投資の先行きに対する懸念はくすぶっており、国内の半導体・AI関連銘柄は引き続き上値の重い展開も予想される。今週予定されているマイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなどハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の決算発表を前に買いが手控えられる可能性もあり、AI関連銘柄の比重が大きい日経平均株価には重しとなりやすい。
外為市場では中東での緊張緩和期待を背景に朝方の取引でドルが幅広い通貨に対して弱含んでおり、円も対ドルでは若干強含みそうだ。一方で、高市政権による拡張財政と財政従属的な金融政策がインフレを招き、通貨価値を損なうことへの警戒感から円を積極的に買う動きは乏しい。リスク資産が選好されやすい「リスクオン」の市場環境となる中、低金利の円を売って高金利通貨を買う動きが出やすく、貿易加重ベースで見た円の実効為替レートは上昇が限られるだろう。
債券市場でも中東情勢を受けて先週の利回り上昇(価格の低下)に対する巻き戻しの動きが出そうだ。ただ、焦点は徐々に日米の金融政策見通しにシフトする見込み。金利スワップ市場では、29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが3割強織り込まれている。31日の日本銀行の金融政策決定会合は据え置きとみられる一方、9月までの利上げは4割弱織り込まれており、両中銀の発信が注目される。
(注:表中の終値は米国時間終値。円相場は対米ドル、前営業日比は円の対ドル変化率。米10年金利の前営業日比は変化幅(単位:%ポイント)。日経平均の前営業日比はシカゴ・マーカンタイル取引所清算値と大阪取引所清算値との比較。シカゴ取引所が休場の場合は大阪取引所の夜間終値と通常取引清算値の比較。金は1トロイオンス当たりのドル建て価格)
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