制御不能となった山火事がスペインの首都マドリードとフランスのボルドーに一段と接近する中、両国では週末にかけて25万人超が町や村から避難した。両都市圏の人口は合わせて800万人を超える。

フランス南西部のワイン産地として知られるボルドー西部郊外の一部地域では、即時避難命令が出された。対象地域にはボルドー空港が含まれる。

フランスのヌニェス内相はパリで記者会見し、ジロンド県と周辺地域で19万7000人が避難したと明らかにした。また、25日時点で焼失面積は約9万8000ヘクタールに達し、過去最大になったと述べた。

ヌニェス内相は夜間に湿度が上昇したことで、ジロンド県の山火事は自ら風を生み出して延焼を拡大する「対流型」の状態ではなくなったと説明した。一方、鎮火までの道のりは「長く、極めて困難になる」と語った。

同内相によると、フランス政府は消防活動を支援するため1000人超の軍要員を動員した。さらに、軍用輸送機エアバスA400Mが数時間以内に、カナディア水陸両用消防飛行機など消火活動に当たる航空機に加わるという。

避難住民の多くは予防措置として自治体のスポーツセンターに避難している。これは、炎よりも速く広がる濃い煙を避けることが主な目的だ。

スペインでは、24日夜までに6万3000人が避難、または屋内退避を指示されていたが、アビラ県とマドリード西方地域で新たに3万人が避難した。当局は延焼中の2件の山火事がいずれ合流するとの見通しを示している。

マドリード市当局は市内の主要な公園の一部を閉鎖し、強風が予想されるとして樹木に近づかないよう市民に呼びかけた。これまでのところ死傷者は報告されていない。

マドリード市の大気質監視システムによると、25日午前に市西部では空気の質が急速に悪化した。市中心部の王宮周辺でも煙の臭いが漂った。

フランスとスペインは、例年より早く始まった欧州の山火事シーズンの中心地となっている。ここ数週間は熱波が相次ぎ、植生が乾燥して火勢が急速に拡大しやすくなったことで、被害はさらに深刻化した。週末前の時点で、欧州全体の焼失面積は32万9000ヘクタールを超え、農作物への被害や交通の混乱が広がっていた。

当局によると、マドリード州南西部で9000ヘクタール超を焼いた山火事は、25日時点でも延焼が続き、制御できていない。24日午後に火勢が最も強まった後、それまで3つに分かれていた火災は1つに合流し、州当局が「制御能力を超えている」と表現する状況で延焼を続けている。

スペインではこれまでに、山火事が米航空宇宙局(NASA)の深宇宙ネットワーク施設の一つであるロブレド・デ・チャベラの施設や、火元の一つに隣接するペラヨス・デ・ラ・プレサの12世紀建立の修道院を通過した。火災は現在、約3万6000人が暮らすエル・エスコリアルとサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルに向かって延焼している。エル・エスコリアルには、世界最大のルネサンス建築とされる16世紀の宮殿がある。

フランス当局は24日、ボルドー西方の人気観光地カップフェレに山火事が迫ったことを受け、住民と観光客11万人に避難を命じた。

地元当局によると、ジロンド県では山火事により約3万ヘクタールが焼失し、複数の住宅が焼けた。さらに南のランド県では、山火事で2600ヘクタールが焼失し、2万3000人超が避難した。

欧州森林火災情報システム(EFFIS)によると、スペインでは先週が2026年で最も深刻な山火事の1週間となった。2026年の焼失面積はこれまでに約14万ヘクタールに達し、過去20年間の平均の3倍を超えている。

気候変動により、世界で最も温暖化が進む大陸である欧州では、猛暑の期間が一段と深刻化している。記録的な猛暑と干ばつが世界の山火事シーズンとして過去最悪の滑り出しを招いており、気候科学者は、発達しつつあるエルニーニョ現象によって、この夏後半にはさらに厳しい状況となる可能性があると警告している。

原題:Over 250,000 People Flee Wildfires Ravaging France and Spain(抜粋)

--取材協力:Anand Mammen Katakam.

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