米国は日本を含む主要な貿易相手国・地域の大半からの輸入品に対し、少なくとも10%の関税を課す方針だ。トランプ大統領の関税の壁を再構築するこれまでで最大の措置となる。連邦最高裁によって一部が崩された関税政策を立て直す狙いがある。

新たな関税は、約60の国・地域がサプライチェーンにおける強制労働の防止を十分に徹底せず、その結果、米国の労働者に不利益を与えたとされる問題に関する調査を受けて導入される。強制労働を制限する措置を導入していると判断された約10の貿易相手からの輸入品には10%の関税を課す。対象にはメキシコ、英国、カナダ、インドが含まれる。

23日に連邦官報に掲載された内容によると、欧州連合(EU)および台湾からの輸入品には少なくとも10%の関税を課す。一方、日本、スイス、韓国からの輸入品については、米国との通商合意に適合する形で少なくとも12.5%の関税を適用する。その他数十の国・地域からの輸入品には12.5%の関税が課される。

官報によると、新たな関税は米東部時間24日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に発効する。それ以前に船舶への積み込みが完了していた一部の商品については、新たな関税の適用対象外となる。

強制労働を理由とする新たな関税は、トランプ氏が保護主義的な関税体制を復活させるためのこれまでで最も広範な措置となる。これに先立つ関税措置は最高裁が無効とした。その後、トランプ政権は世界各国・地域からの輸入品に一律10%の関税を課したが、この措置は24日に失効する。今回の新たな関税は、その措置との間に空白期間が生じないような日程で導入される。

グリア米通商代表部(USTR)代表は声明で、「米国は約100年にわたり、強制労働によって生産された製品の輸入を禁止し、その規制を厳格に執行してきた。貿易相手も同様の措置を講じるべき時期は、とっくに来ている」と指摘した。

政権高官の1人は、最高裁によって無効とされた従来の関税措置の単なる代替として、トランプ氏が今回の新たな関税を導入したとの見方を否定した。一方で、大統領は利用可能なあらゆる手段を用いて、自らの通商政策が裁判所の判断によって損なわれることを容認しないとの考えも示した。

この高官は、政権は強制労働を理由とする関税をいずれにせよ導入する計画だったと示唆した上で、米企業への混乱を避けるため、この時期に実施することにしたと説明した。

トランプ政権は先月、強制労働に関する調査結果を公表した際に、今回の措置を事実上予告していた。発表を前に記者団に説明した政権高官によれば、当初案から一部変更が加えられ、インドについては当初示されていた12.5%ではなく、10%の関税率が適用されることになった。

燃料、食品、肥料などの輸入品は新たな関税の適用除外となる。また自動車、金属、医薬品など、業種別の個別関税が既に適用されている製品も対象外となる。さらに、米国・カナダ・メキシコ協定(USMCA)の対象となる品目についても除外される。

原題:US Sets New Forced-Labor Duties as Trump Rebuilds Tariff Wall(抜粋)

(日本からの輸入品に対する関税率などを追加して更新ます)

--取材協力:Shawn Donnan.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.