(ブルームバーグ):イエメンの親イラン武装組織フーシ派は20日、サウジアラビアに対する海上封鎖を実施すると表明した。これを受け、サウジ主導の有志連合は、紅海を航行する船舶を保護する措置を講じたと明らかにした。
海上封鎖が実施されれば、サウジが紅海経由で輸出する数百万バレルの原油供給に影響が及ぶ恐れがある。フーシ派は、サウジがイエメンの首都サヌアを包囲していることへの報復だと主張。サウジ船舶を対象とする航行禁止措置は即時発効すると明らかにした。同組織の報道官がX(旧ツイッター)に投稿した動画で述べた。
イエメン北部を拠点とするフーシ派は2014年にサヌアを制圧し、サウジや他の中東諸国を巻き込む内戦の発端となった。
サウジ主導の有志連合は20日、紅海南端のバベルマンデブ海峡を航行する船舶を保護するための運用措置を開始した。有志連合報道官のトゥルキ・アルマルキ氏はXへの投稿で、「フーシ派による通航船舶へのあらゆる脅威には迅速かつ断固として対処する」と述べた。
サウジ外務省も声明で、国際法および1982年の国連海洋法条約に基づき、自国船舶を保護するために必要なあらゆる措置を講じると表明した。サウジのエネルギー当局者からは現時点でコメントは得られていない。

今回のフーシ派の動きにより、世界の原油供給を巡るリスクは一段と高まった。世界の原油の約5分の1が通過するホルムズ海峡では、米国とイランによる報復の応酬を受け、通航がほぼ停止した状態が続いている。サウジが現在、原油輸出の大半に関して利用している紅海経由の供給に支障が生じれば、イラン戦争が原油取引に及ぼす影響はさらに深刻化する可能性がある。
紅海を航行中の原油タンカー関係者によると、この海域の船舶に対し、「イエメン軍部隊」を名乗る発信元から、サウジ船舶は航行禁止になったと伝える無線があった。無線を受けた乗組員は、その通信は本物とみられると判断したという。
サウジはイランによるホルムズ海峡の実質封鎖を受け、原油輸出を紅海沿岸の主要港ヤンブーへ振り向けた。同港からの輸出量は先月、日量419万バレルと過去最高を記録し、イラン戦争に伴う原油供給の混乱を抑える一助となった。一方、フーシ派は過去に紅海で船舶を攻撃しており、依然として安全面での懸念がくすぶっている。

フーシ派は2023年終盤から数カ月にわたり、紅海南部とアデン湾を結ぶバベルマンデブ海峡付近の海上輸送を混乱させた。海運各社はアジアと欧州を結ぶ最短ルートである同航路の利用を断念せざるを得なくなった経緯がある。
国際指標の北海ブレント原油先物は乱高下。一時3.8%上昇した一方で、一時2.3%下落するなど荒い値動きとなっている。ニューヨーク時間午前10時過ぎ時点では、約0.2%安の1バレル=87ドル台で推移している。
サウジが先週サヌアの空港を攻撃して以降、サウジとフーシ派の緊張は高まっている。フーシ派もサウジ南部の空港を反撃するなど、2022年の停戦以降で最も深刻な軍事衝突に発展している。
原題:Saudi-Led Coalition in Yemen Vows to Protect Ships From Houthis(抜粋)
(第4段落以降にサウジ側のコメントなどを追加して更新します)
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