(ブルームバーグ):片山さつき財務相は17日、約40年ぶり対ドル安値圏での推移が続いている円相場について、ここ数週間で最も強い表現を用いて市場をけん制した。ただ、為替市場はこの発言にほとんど反応しなかった。
片山財務相は閣議後会見で、為替市場への対応を問われ、「必要とあればいつでも果断な措置を取る」と述べ、介入に前向きな姿勢を改めて示した。具体的な為替相場の水準についてはコメント控えるとした。
17日の円相場は対ドルで162円台前半で推移。6月30日に対ドルで約40年ぶりに162円台に下落した後も、日本の財政懸念や中東での紛争激化などから、同水準での動きが続いている。片山氏の発言を受けても円高方向にほとんど動かなかったことは、口先介入の効果が薄れつつあることを示唆している。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、ドル・円相場は「この発言では動かないだろう」と指摘。インフレ警戒が続く米国での利上げ観測が根強い中で、ドル高地合いが継続するとみている。ただ、「日本の当局は手を変え品を変え円安進行をけん制してくるため、大きく円安が進むこともない」とも語った。
片山氏は先月末、介入前に当局が発する警告としては最も強いレベルの「断固たる措置」との表現で市場をけん制した。ただ、その後は「断固たる措置」は使わず、今月はこれまで主に「必要に応じていつでも適切に対応する」という表現にとどめていた。
最近では、片山氏が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成割合(ポートフォリオ)の修正や、少額投資非課税制度 (NISA)の対象への日本国債の追加に前向きな姿勢を示したことで、円高に振れる場面があった。
ナティクシスのアジア太平洋地域(APAC)ストラテジスト、ホン・ダヨン氏は、「口先介入はこれまでも効果が限られており、実際の介入も効果は長続きしない」と指摘。「円相場を支えるには市場介入ではなく、追加利上げが必要だ」との見方を示した。
政府・日本銀行は4月28日から5月27日の間に計11兆7349億円の為替介入を実施した。月次ベースの介入額としては過去最大で、円相場は160円台から一時155円台まで急伸した。日次ベースの介入額は8月上旬にも発表される。
(背景情報と市場関係者のコメントを追加して更新しました)
--取材協力:日高正裕、デサイ ウメシュ.
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