米カンザスシティー連銀のシュミッド総裁はインフレが今後数カ月で一段と加速するリスクがあると指摘し、最大の懸念事項に挙げた。

6月のインフレ統計は市場予想以上にインフレ鈍化を示す内容だったものの、シュミッド総裁はインフレ鈍化の始まりと判断するのは時期尚早だとの見方を示した。

同総裁は16日、ネブラスカ州でカンザスシティー連銀が主催した経済フォーラム向けに用意した講演原稿で、「私が最も懸念しているのはインフレだ。インフレ率は依然として高過ぎ、あまりにも長い間、目標を上回っている」と述べた。「したがって、適切な金融政策の方向性を決める上で、引き続きインフレに重点を置いている」と語った。

Photographer: 出所:ブルームバーグ

シュミッド総裁はインフレ圧力について、エネルギー価格にとどまらず、食品を含む幅広い財・サービスに及んでいると指摘。食品価格は新型コロナウイルス禍前の平均を上回るペースで上昇していると語った。

その上で「インフレについては、なお目指す水準には達していない」と述べた。

今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)の2%のインフレ目標の達成に向けて対応する用意があると当局者が相次いで表明している。16日には、ダラス連銀のローガン総裁が追加利上げの必要性を訴えた。

ウォーシュFRB議長は14日の議会証言で、高インフレを「容認しない」と述べ、物価安定の回復を改めて誓った。ただ、利上げを支持する考えを示すことは避けた。

FRBが8日公表した6月16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、労働市場を巡る当局者の懸念がやや後退する一方、インフレに対する警戒感が強まっていたことが示された。ウォーシュ議長の就任後初となったこの会合では、政策当局者が全会一致で、政策金利を3.5%-3.75%に4会合連続で据え置くことを決めた。

今週公表された6月の生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)はいずれも伸びが市場予想を下回った。これを受け、早ければ今月にも利上げが実施されるとの見方が後退した。

一方、シュミッド総裁は、一時的な物価上昇は金融政策で看過できるとする経済理論に異論を唱えた。こうした考え方は需要の役割を十分に考慮していないと指摘した。

「パンデミックから得られた教訓の1つは、インフレは決して供給だけの問題ではないということだ。力強い需要もほぼ常に要因となっている」と語った。

米経済については「労働市場は均衡が取れており、経済成長も底堅さを維持している」と述べ、おおむね前向きな見方を示した。

(更新前の記事で、第3、6段落の日付を訂正済みです)

原題:Fed’s Schmid Says Inflation Too Hot, Above Target Too Long (1)(抜粋)

(リンクを加え、更新します)

--取材協力:Maya Prakash.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.