(ブルームバーグ):物価高が続く中、家計のインフレ期待が一段と強まっていることが、日本銀行が16日公表した調査で分かった。1年後に物価が上がるとの見通しなどが過去最高を更新し、日銀の利上げ路線を支える内容となった。
6月の「生活意識に関するアンケート調査」によると、1年後と5年後に物価が「上がる」と回答した人の割合はそれぞれ90.4%、86.1%となり、前回3月調査を上回った。1年後は従来ピークの2008年6月調査(88.9%)を上回った。毎年どの程度物価が上がるかの予想は、平均値で1年後が13.1%、5年後が10.8%といずれも最高となった。
1日に公表した6月の企業短期経済観測調査(短観)における企業の物価見通しでも、消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率の想定が、平均で1年後2.7%、3年後2.6%、5年後2.6%と全期間で前回調査を上回っていた。販売価格判断DIも大きく上昇し、企業の価格設定行動の積極化を裏付ける内容となった。
日銀は6月の金融政策決定会合で政策金利を1.0%に引き上げるとともに、利上げ継続姿勢を維持した。一時的な要因を除いた物価上昇率が目標の2%から上振れるリスクにも言及した。今回の家計と企業のインフレ期待の上昇は、日銀の利上げ路線をサポートする材料となる。
利上げを受けてブルームバーグが6月に実施したエコノミスト調査では、次の利上げ時期の予想の最多は12月の52%で、次いで10月が36%となった。9月の2%と合わせ、年内利上げの予想が90%を占めた。
景況感は悪化
一方、アンケート調査では、景況感について「悪くなった」との回答が増加し、景況感DIはマイナス56.7に悪化。1年後についても「悪くなる」との見通しが増え、マイナス42.5に落ち込んだ。中東情勢を受けた先行き不透明感の拡大や、物価上昇に対する家計の警戒感が強まっている可能性がある。
日銀で金融政策の企画・立案を担う企画局を担当している中村康治理事は、16日の参院財政金融委員会で、現在は物価の上振れリスクが高い状況にあると指摘。利上げによる金融緩和度合いの調整が遅れれば、物価の上振れリスクが顕在化して「景気下押しにつながる恐れがある」との見解を示した。
(チャートを追加して更新しました)
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