(ブルームバーグ):米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、アンソロピックのAIモデル「Mythos(ミュトス)」が提起したリスクについて、米政府が現在対応を進めている「現実的な問題」だとの認識を示した。
AIモデルがここ数カ月で急速に進歩したことを受け、業界と政府は潜在的な脅威の評価を進めている。この問題は、アンソロピックがミュトスについて、ソフトウエアの脆弱(ぜいじゃく)性を発見する能力が極めて高く、一般公開できないと明らかにしたことで、一段と緊急性を増した。

ダイモン氏は15日、マコーミック上院議員(共和)が主催した「ペンシルベニア防衛・イノベーション・サミット」で、高度なシステムが幅広い人々の手に渡ることのリスクを巡り、「ミュトスは、個人に事実上、弾道ミサイルを与えるようなものだ」と述べ、警鐘を鳴らした。
JPモルガンは、4月からミュトスへのアクセスを認められている企業グループの一角で、自行の防御体制の検証や、ベンダーや同業他社との情報共有に活用している。ダイモン氏は5月、同行ではシステム強化のために数百人が専任で業務に当たっていると明らかにした。
長年にわたりCEOを務めるダイモン氏は近年、国家安全保障について発言を強めている。4月に公表した株主向け年次書簡では、米国が軍事力と経済力を維持するためには「さらに強くなる」必要があると訴えた。
JPモルガンは昨年、今後10年間で米国の経済安全保障と強靱(きょうじん)性の強化につながる産業に1兆5000億ドル(約243兆円)を投じる方針を発表した。これは、当初計画していた額に50%上乗せする規模となる。
この取り組みは、「安全保障と強靱性イニシアチブ」と、別枠の「アメリカンドリーム・イニシアチブ」の一環として進められている。JPモルガンはフィラデルフィアの造船業の強化を支援するため、融資、投資、慈善助成金を合わせて2400万ドルの拠出を約束した。ダイモン氏は15日、同行が今回の支援策を発表するのに合わせ、フィラデルフィア海軍工廠(こうしょう)を訪問した。
トランプ大統領は同サミットで、ダイモン氏について、米国で何十年ぶりとも言える「最も偉大な銀行経営者」かもしれないと述べた。一方、トランプ氏は先に、JPモルガンが政治的な理由で自身と自身の企業への銀行サービスの提供を打ち切ったと主張し、同行とダイモン氏を相手取り少なくとも50億ドルの損害賠償を求めて提訴している。
原題:Dimon Warns of Broad Mythos Access, Calling It a Real Issue (1)(抜粋)
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