(ブルームバーグ):これほどテクノロジー株の値動きが激しくなったのは、大きな危機の局面に限られる。
ハイテク株の主要指数であるナスダック100指数は直近26営業日のうち20営業日で、1%以上の上昇または下落を記録しながら方向感なく推移している。14日の1.1%上昇も、その一例だ。
これほど大きな値動きが続くのは極めて異例だ。2000年以降では、新型コロナウイルス禍が直撃した2020年や、2022年の弱気相場、2008~2009年の世界金融危機、さらにそれ以前では、現在のAIブームとの類似性を懸念する声もあるドットコム・バブル期といった、市場が深刻なストレスにさらされた局面でしか見られなかった。
ジョーンズトレーディング・インスティテューショナル・サービシズの株式セールストレーダー兼マクロストラテジスト、デーブ・ルッツ氏は足元の相場変動について、神経質な地合いを反映していると指摘。投資家が企業決算や金利見通し、再び激化している米国とイランの戦争の行方を見極めようとしているとの見方を示した。
同氏は「市場に積極的に参加する動きが乏しいため、クオンツ取引が市場に与える影響が一段と増幅されているようだ」と指摘。その背景について、「クオンツ運用やファクター投資に支配された群集心理に加え、通常より多くのアクティブ運用口座が様子見姿勢を取っていることが重なっている」と分析した。

ルッツ氏によると、今年に入り、ヴァンエック・セミコンダクターETF(証券コード:SMH)とiシェアーズ・エクスパンデッド・テック・ソフトウエアETF(同:IGV)は、ともに4%以上の日次変動を30回余り記録した。これは、それまでの7年間の合計を上回る回数だ。
こうした値動きの一部は、半導体株とソフトウエア株の間の資金移動によるものだ。半導体株は3月末から6月中旬にかけて大きく上昇した一方、ソフトウエア株は大きく売り込まれていた。両セクターはAIを巡る市場心理の両極を象徴しており、AIへの期待が高まる局面では、その投資拡大の恩恵を受ける半導体株が買われる一方、陳腐化するリスクが意識されるソフトウエア株は売られやすい。逆に、AIへの疑念が強まると、その流れは逆転する。
こうした値動きの激しさは、今年の相場上昇を支えてきた銘柄が比較的少数に限られていることも反映している。今年上半期のナスダック100指数の約20%上昇は、マイクロン・テクノロジーやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、インテルを筆頭とするわずか10銘柄がけん引した。
BTIGのチーフ・マーケット・テクニシャン、ジョナサン・クリンスキー氏は先週、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)について、直近30営業日で3%以上の上昇または下落を15回以上記録したとし、こうした状況が前回見られたのは、インターネット・バブルが崩壊した2000年だったと指摘した。
クリンスキー氏はリポートで、「この1カ月間、警戒すべきシグナルが増えており、その多くは2000年3月の相場のピーク時を想起させるものだ」と記述。SOXの大きな値動きについて、「不穏な」シグナルだとの見方を示した。
原題:Nasdaq 100 Sees Crisis-Level Volatility in Echo of Dot-Com Bust(抜粋)
--取材協力:Neil Campling.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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