(ブルームバーグ):韓国の半導体大手サムスン電子は、米国預託証券(ADR)の発行について、初期段階の検討を進めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者によると、同社は複数の銀行と予備的な協議を行ったが、実施するかどうかはまだ決定していない。関係者は非公開の協議であることを理由に匿名を条件として語った。判断材料の一つとして、値動きの激しいメモリーチップ関連株の動向を見極めるという。
また、米国上場に踏み切る場合、多岐にわたる事業ポートフォリオや繰り返される労使紛争が、上場の枠組みを設計する上で課題となる可能性があると関係者は述べた。
協議はごく初期段階にあり、上場に至らない可能性もあるとしている。サムスン電子の広報担当者はコメントを控えた。
関係者によると、同社は過去にもADR発行の可能性を検討したものの、最終的には見送った経緯がある。ただ、SKハイニックスによる米国上場の成功を受け、サムスン電子はこの構想を改めて検討する動機を得たという。
一方で、現在の議論は依然として極めて初期段階にあり、具体的な計画や売り出しを担当する銀行の選定ではなく、あくまで可能性を見直すための検討にとどまっている。
メモリーチップ市場でサムスン電子と競合するSKハイニックスは先週、265億ドル(約4兆3000億円)を調達し、外国企業による米国での新規株式公開(IPO)として過去最大を記録した。
サムスン電子の株価は今年に入り約120%上昇し、時価総額は1兆ドルを超えた。一方、SKハイニックスの株価は194%上昇し、時価総額は約9000億ドルとなっている。
サムスン電子の株価上昇には、大幅な利益成長への高い期待が織り込まれている。先週発表した同社の暫定業績は市場予想を上回ったとみられたが、株価は大幅に下落し、投資家の期待に応えることの難しさが改めて浮き彫りになった。
半導体株には、生産能力の追加によってメモリー供給の制約が緩和され、価格や利益率に下押し圧力がかかるとの見通しも重しとなっている。
サムスンとSKは先月、韓国南西部に新たな半導体製造工場をそれぞれ2カ所建設する計画を明らかにした。投資総額は800兆ウォン(約84兆円)に上る。急増する需要を満たすため、生産能力を迅速に拡大することを狙いとしている。
原題:Samsung Is Said in Early Discussions on Potential US Share Sale(抜粋)
(第5段落以降に背景情報などを追加して更新します)
--取材協力:Shinhye Kang.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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