(ブルームバーグ):原油相場は大幅反発。トランプ米大統領がホルムズ海峡を航行するイラン船舶の封鎖を復活させ、同海峡を通過するその他全ての貨物について20%の対価を支払うよう求めたことを受け、海上輸送が早期に回復するとの見方が後退した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物8月限は、前営業日比6.73ドル(9.4%)上昇し、1バレル=78.14ドルで終了。北海ブレント先物9月限は7.29ドル(9.6%)高の83.30ドルで終えた。
トランプ氏は13日、ホルムズ海峡について「イラン関与の有無にかかわらず、今後も開かれた状態にある」と投稿。「米国は今後、『ホルムズ海峡の守護者』として知られることになる」と記した。それ以前にはFOXニュースに対し、米国が同海峡の掌握を試みる可能性が高いと述べていた。
CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「封鎖措置の再開は事態を一段とエスカレートさせる。原油市場は地政学的リスクをあらためて織り込みつつある」と指摘。
「20%の通航料を取るという構想は注目を集めるが、実際にどのように履行されるのか、誰が費用を負担するのか、湾岸地域の他の産油国がどのように反応するかを、市場はなお見極めようとしている」と述べた。
共同海事情報センター(JMIC)によると、米中央軍は米東部時間14日午後4時(日本時間15日午前5時)から、イランの全ての港湾や沿岸地域を対象とする封鎖措置を開始する。
封鎖が再開されれば、イランはホルムズ海峡の通航を試みる船舶への攻撃を強化する可能性があると、アナリストらは警告している。
20%の徴収となった場合は、現在の原油価格に基づくと、超大型タンカー1隻当たり約3200万ドル(約52億円)となる。事情に詳しい複数の関係者によれば、イランがこれまでに徴収した通航料は最大200万ドルで、これを大幅に上回る水準だ。輸送コストの上昇は原油価格の押し上げ要因となる可能性が高い。
国連の国際海事機関(IMO)報道官は、「国際航行に利用される海峡の通航に料金を課すことに断固反対する」との立場をあらためて示した。
13日にはまた、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、サウジアラビアの空港に向けて、多数の弾道ミサイルとドローン(無人機)を発射したことを明らかにした。
米国は12日、ホルムズ海峡を通過する国際海運をイランが攻撃する能力を低下させようと、数十カ所の標的を攻撃した。イラン側は同海峡について、「追って通知があるまで」閉鎖すると表明した。
イランは中東における米国の同盟国を攻撃。クウェートは沖合の掘削施設が攻撃を受けて損傷したと発表した。エネルギーインフラが直接攻撃されたのは数週間ぶりだった。
MSTマーキーの上級エネルギーアナリスト、ソール・カボニック氏は、紛争が拡大してより広範囲の重要施設が攻撃対象となった場合、原油相場は1バレル=100ドルに近づく可能性があると述べた。
イランは13日、緊張緩和に向けた接触は続いていると説明する一方、米国との暫定合意は「間違いなく危機的段階に入った」との認識を示した。
原題:Oil Surges as Trump Says US Wants 20% Charge for Hormuz Flows、Oil Rallies as Conflict Over Hormuz Escalates With Fresh Strikes(抜粋)
(原文更新に合わせて情報や相場を更新します)
--取材協力:Weilun Soon、Rongxia Wei、Julian Hast.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.