(ブルームバーグ):サッカーのワールドカップ(W杯)で米国代表は6日(日本時間7日)、ベルギー代表に敗れ、準々決勝進出を逃した。一方、国際サッカー連盟(FIFA)が米国のFWフォラリン・バログン選手の出場を認めた決定を巡っては、論争は引き続きくすぶっている。
ベルギーは前半9分過ぎに先制。米国は前半のうちに同点に追いついたが、ベルギーはすぐに勝ち越すと、差を広げて4-1で勝利した。次戦ではスペインと対戦する。
米国はポチェッティーノ監督の下でグループリーグを危なげなく突破し、国内で大きな期待を集めた。しかし最終的には、さらに上のステージへと進むことはできなかった。ポチェッティーノ氏はアルゼンチン出身で、ケン・グリフィン氏ら金融業界の幹部が米国サッカー連盟へ数百万ドルを寄付して、2024年に招聘(しょうへい)された監督だった。
この試合では、FIFAがバログン選手に対する1試合の出場停止処分を取り消したことが大きな影を落とした。米国代表で最多得点を挙げていたバログン選手は、前戦のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でレッドカードを受けたため、本来はベルギー戦を出場停止となるはずだった。
トランプ米大統領もこの問題について、FIFAのインファンティノ会長に電話をかけ、出場停止処分について再考するよう求めたことを明かしている。FIFAは、この決定を下す権限は同連盟にあると説明し、ベルギー・サッカー協会(RBFA)の異議申し立てを退けた。
「この試合の結果にかかわらず、RBFAは今回の経緯を深く憂慮している」とRBFAは声明で述べた。さらに、「倫理、公正な競争、そしてサッカー全体の利益という基本原則を守るため、今後数時間、数日、数カ月にわたり闘い続ける」とした。
ファンたちの声は
シアトルのウオーターフロントや中心部の通りは、試合観戦やパブリックビューイングに向かうファンで埋め尽くされた。観客は星条旗をイメージした赤・白・青の装いに加え、白いかつらを着けた米独立戦争時代風の衣装で応援した。
多くの米国ファンはレッドカードを巡る論争を気にしておらず、代表チームがここまで勝ち進んだことを純粋に喜んでいると話した。
ザカリー・パラダイスさんは、この試合を観戦するためだけにヒューストンからシアトルを訪れ、2泊する予定だという。バログン選手の出場停止処分が解除されたと知った瞬間、歓声を上げ、友人たちにメッセージを送ったと語った。
「彼にはプレーしてほしいのでうれしかった。ただ、それが100%正しい判断だったかどうかは分からない」とパラダイスさんは話した。「何とも判断が難しいグレーゾーンだ」
この処分取り消しは世界中で反発を招いた。欧州サッカー連盟(UEFA)は、この決定について「理解できず、正当化もできない」と批判し、FIFAが「レッドライン」を越えたと非難した。
ベルギー出身のエンジニア、エリック・ヘーンスさん(43)は試合前、米国ファンの中で、家族とともにベルギー代表のユニフォームを身に着けていた。
ヘーンスさんは、バログン選手の反則はレッドカードに値するものではなかったと考えている一方、処分取り消しの経緯は残念だったと述べた。また、トランプ氏の関与によって、本来は判定を巡る議論だったものに「政治的な影響という影」が落ちたとの見方を示した。
「スポーツにおけるあらゆる判定は解釈の問題だ」とヘーンスさんは語った。「最も優れたチームが勝つことを願うだけだ」
原題:US Loses to Belgium in World Cup Match Shadowed by Controversy(抜粋)
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