(ブルームバーグ):10月に控える東証株価指数(TOPIX)の定期見直しで、キオクシアホールディングスの構成ウエートが上昇するとの観測が高まっている。同社の上場株式のうち市場で流通する可能性の高い浮動株の比率が上がるとみられるためで、市場では指数連動型のファンドから大規模な資金流入を見込む声が出ている。
SMBC日興証券の吉田隼人シニアクオンツアナリストらは3日のリポートで、キオクシアHDの浮動株比率は従来の15%から50%まで引き上げられると予想。これにより、指数構成ウエートは2.678%と現在の3倍超に拡大し、指数に連動するファンドから約3兆円の買いフローが発生すると試算した。
3兆円はキオクシアHD株の売買代金の30日平均(約3.2兆円)に相当する。キオクシアHD株は6月後半に高値を付けた後、AI関連の設備投資の先行きなどへの懸念から軟調に推移しているが、指数ウエートの見直しに伴う買い需要や、それに先回りした買いが入れば、株価は持ち直す可能性が高い。
吉田氏らは、指数リバランスによる推定フローとしては「前例にない規模」だと指摘。株価への影響を抑制するため、変動を複数回に分けるなど何らかの措置が取られる可能性も考えられると予想している。加えて、キオクシアHD以外の構成銘柄は、ウエートに応じて広く売りが発生するだろうと記した。
キオクシアHDでは浮動株比率の算出に用いられる固定株は減少傾向にある。同社が6月に公表した2026年3月期の有価証券報告書によると、東芝や米ベインキャピタル系などの保有株数が前の期から減少し、発行済み株式総数に対する大株主上位10社の保有比率は89%から53%に低下した。
銘柄入れ替え
10月は日本取引所グループ(JPX)のTOPIX改革に伴う初の銘柄入れ替えも実施される。年間の売買代金回転率と浮動株時価総額の累積比率という2つの流動性基準をもとに銘柄が選定される。
ニッセイ基礎研究所の森下千鶴研究員の5月末時点の試算では、次期TOPIXの構成銘柄数は984と1000を割り込む。浮動株時価総額の上昇が大型銘柄に集中し、当初想定よりも除外対象の銘柄数が多くなったという。JPXは除外銘柄のウエートは四半期ごと8段階に分けて低減する計画。
東海東京インテリジェンス・ラボの山藤将太エクイティマーケットアナリストは、時価総額が大きい銘柄には資金が入りやすいが、そのような銘柄は流動性が高いため、株価上昇につながるかは疑問が残ると話す。一方、指数から除外される小型銘柄は想定よりも多くなりそうで、除外が織り込まれていない銘柄を中心に売り圧力が大きくなるとの見方を示した。
--取材協力:堤健太郎.
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