(ブルームバーグ):物価高に苦しむ米消費者は今春、燃費の良さを重視し、日本と韓国の自動車メーカーのハイブリッド車を買い求めた。この動きは、トヨタ自動車と現代自動車の販売増に寄与した一方、ゼネラル・モーターズ(GM)は販売が減少した。
トヨタの米国販売台数は4-6月(第2四半期)に約1%増加した。ハイブリッド車販売が約20%伸びたことが押し上げた。主力スポーツタイプ多目的車(SUV)「RAV4」の新型投入の立ち上がりが緩やかだったにもかかわらず、販売台数は増加。トヨタは主要カテゴリーでガソリン車のみのモデルから距離を置く中、RAV4をハイブリッド専用モデルとして販売している。
GMは直近四半期に4.2%の販売減となった。同社のハイブリッド車は販売台数の少ないシボレー「コルベット」の一部モデルに限られる。フルサイズピックアップと並んで大きな利益率を生む大型人気SUV四車種はいずれも販売が減少し、シボレー「サバーバン」は20%減となった。
トヨタの北米ブランド責任者、デービッド・クリスト氏はインタビューで、「消費者の選択は明確だ。ハイブリッド車が人気を集めている。増え続ける需要に応えるため、さらに増産していく」と語った。
消費者は今年、長年のインフレとイラン戦争で押し上げられた燃料価格の高止まりから逃れる手段として、ハイブリッド車に向かっている。この流れは、複数のハイブリッド車をそろえるアジアブランドに購入者を呼び込み、米メーカーをほぼ蚊帳の外に置いている。
現代自動車は1日、4-6月期の販売が過去最高になったと発表した。ハイブリッド車販売が71%増加したことが寄与した。セダン「ソナタ」、SUV「サンタフェ」「ツーソン」など量販モデルのハイブリッド仕様が拡大をけん引したという。
「成長エンジン」
現代自動車の北米事業の最高経営責任者(CEO)、ランディー・パーカー氏は、旺盛な需要を受け、米国でハイブリッド車の生産を増やす方針を示し、「ハイブリッド車は間違いなく、現時点で当社の成長エンジンだ」と記者団に述べた。
現代自動車の兄弟ブランドである起亜は、6月のハイブリッド車販売が187%急増。これが4-6月期の販売台数3%増に寄与した。
ホンダは4-6月期の販売が8.4%増加し、6月単月では17%増となった。主力の小型SUV「CR-V」がけん引。同モデルのハイブリッド仕様は先月、販売台数の半分超を占めた。ホンダ全体では、6月の販売台数の約30%がハイブリッド車だったという。
この流れは、ハイブリッド車市場での勝者と敗者を浮き彫りにしている。米国市場を支配しているのはアジアメーカーだ。米調査会社コックス・オートモーティブによれば、ホンダとトヨタは今年のハイブリッド車販売台数で上位10モデルのうち七つを占めた。
米メーカーで上位10モデルに入ったのは、フォード・モーターのピックアップトラック「マーベリック」のみだった。品ぞろえで見劣りする米メーカーは、短期的にこのハイブリッド車ブームを逃すリスクがある。

これに対しGMは、ハイブリッド車ではなくEVを販売する戦略を維持している。その一方で、高価格のトラックとSUVに依存し、利益とキャッシュフローを支えている。
値ごろ感への懸念
新車の平均販売価格は5万ドル(約813万円)弱に達しており、ガソリン価格も上昇していることから、購入者は値ごろ感を重視するようになった。GMの決算はこの動きを示した。4-6月期には低価格モデルの販売が伸び、シボレー「トレイルブレイザー」の販売台数は約30%増加した。
2日に販売台数を発表する見通しのフォードは、今後数年でラインアップ全体にハイブリッド車を追加投入する計画だ。米メーカーの中でハイブリッド車販売で首位に立つ現在の地位を足掛かりにする。
ただ、現時点で同社が生産するハイブリッド車は3モデルにとどまる。生産を終了したハイブリッド車の一つ、小型SUV「エスケープ」は、20年以上にわたり高い販売台数を記録してきた。これが、5月までのフォードのハイブリッド車販売が22%減少した一因となった。
ステランティスは現在、米国で販売するハイブリッド車がジープの新型2026年型「チェロキー」のみとなっている。今年前半に複数のプラグインハイブリッド車を打ち切ったためだ。
ステランティスのアントニオ・フィローザCEOは、ハイブリッド車の選択肢を増やす計画だと述べている。同社は今年後半にジープ「グランドワゴニア」とラムのピックアップトラックで航続距離延長型電気自動車(EREV)を投入する。
コンサルティング会社オートパシフィックの社長、エド・キム氏は「販売できるハイブリッド車があれば、好調に売れるだろう」と述べた。「裏を返せば、ハイブリッド車を持たないメーカーは販売機会を逃すということだ」と語った。ハイブリッド車への需要は、今年ほとんど成長しないか縮小する可能性がある米自動車市場全体の明るい材料となっている。

アナリストは、ハイブリッド車の人気を一過性のブームとはみていない。助言会社マーフィー・オートモーティブ・パートナーズの創業者、ジョン・マーフィー氏のリポートによれば、米国のハイブリッド車市場シェアは今後5年で2倍超に拡大し、市場全体の4分の1超を占める見通しだ。
コックスの業界インサイト担当ディレクター、ステファニー・ヴァルデス・ストリーティー氏は「自動車メーカーはこのセグメントで本格的な量産体制を整えつつある」と述べた。「ハイブリッド車は中核的な量販戦略になりつつあり、消費者需要もそれに追いついている」と語った。
原題:Toyota, Hyundai Sales Rise on Hybrid Demand While GM Sits Out(抜粋)
--取材協力:Keith Naughton、ドーソン・チェスター.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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