経営不振のソフトウエア企業の買収を手掛けるイタリアのベンディング・スプーンズは1日にナスダックに上場し、新規株式公開(IPO)価格を40%上回って取引を終えた。同社と一部既存株主は前日のIPOで16億8000万ドル(約2700億円)を調達した。

1日の終値は40.50ドルで、IPO価格の29ドルを上回った。同社とベイリー・ギフォードなどの既存投資家はIPOに際し、1株当たり26-28ドルの仮条件で需要を探った後、5797万株を売却した。

Photographer:Francesca Volpi/ Bloomberg

時価総額は1日終値ベースで257億ドルとなった。ピッチブックのデータによると、2025年に2億7000万ドルの新株発行と4億4000万ドルの既存株売却、28億ドルの借り入れを組み合わせた資金調達を実施した際の企業価値約145億ドルから大きく拡大した。

ベンディング・スプーンズのルカ・フェラーリ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「当社の強みは、買収した企業をほぼゼロから再構築できることだ」と語った。

同社は2013年に設立された。社名は1990年代のSF映画「マトリックス」の一場面に由来する。同社は経営難に陥ったソフトウエアアプリ企業にプライベートエクイティ(PE)流の手法を適用。主にサブスクリプション型サービスを買収して人員を削減し、運営をプログラマーに委ねる戦略を採る。2025年に買収した動画共有サイト運営会社Vimeoに加え、AOL、ファイル共有サービスのWeTransfer、メモアプリのEvernote、AIを活用した写真アプリReminiも買収した。

フェラーリ氏は「目論見書で開示した通り、非常に高いリターンにつながっている一方で、欠点は非常に時間がかかることだ」と説明。「Evernoteをはじめ当社が手掛けた主要な買収案件では、基本的に全く新しい製品へと生まれ変わっており、それは一夜では実現しない」と述べた。

提出資料によると、26年1-3月の売上高は6億100万ドル、純利益は2750万ドルだった。前年同期は売上高2億5900万ドル、純損失1億1200万ドルだった。

提出資料によると、月間アクティブユーザー数は23年12月の1億1100万人から26年3月には5億人へ増加した。同期間に月間有料利用者数は300万人から900万人へ増えた。

今回のIPOではゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェース、アレン・アンド・カンパニーなどが幹事を務めた。株式はティッカーシンボル「BSP」で、ナスダック・グローバル・セレクト・マーケットで取引されている。

原題:AOL Owner Bending Spoons Jumps 40% After $1.68 Billion IPO (2)(抜粋)

--取材協力:Carmen Reinicke.

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