(ブルームバーグ):米建機大手キャタピラーの株価が1日、前日に更新した上場来高値から下落した。投資家マイケル・バーリ氏がキャタピラーを初めて空売りしたと明らかにしたためだ。バーリ氏は2008年の金融危機前における米住宅市場への弱気な投資で知られる。マイケル・ルイス氏のベストセラー「世紀の空売り」(原題:ザ・ビッグ・ショート)で取り上げられ一躍有名になった。
発電設備事業がAI向けインフラ投資のテーマと結び付けられたことから、キャタピラーの株価はこの1年で150%強上昇していた。バーリ氏は、この上昇局面が終わりつつあるとみている。AI関連として買われてきた複数の銘柄についても、上昇局面は終わったとみている。
バーリ氏はニュースレター配信プラットフォーム「サブスタック」への投稿で、1株1060.98ドルで空売りを始めたと公表した。その中で、「過去にはキャタピラー株の買い持ちで常に利益を得てきた」と記した。前日に1064.90ドルと上場来高値で取引を終えたキャタピラー株は1日、約7%下落した。それでも年初来の上昇率は70%を超えている。

データセンターに必要な大量の重機や発電設備の需要によって、キャタピラーのような「つるはしとシャベル」銘柄は、半導体株のような値動きをするようになった。
バーリ氏は、こうしたAI関連銘柄にも売りを仕掛けている。6月30日の取引終了後の投稿ではテスラに加え、エヌビディア、アプライド・マテリアルズ、上場投資信託(ETF)のiシェアーズ・セミコンダクターETF(SOXX)を空売りしたと明らかにした。
テスラを除くすべての銘柄が7月1日に下落した。年初来約150%上昇していたアプライド・マテリアルズはこの日、一時11%以上下落。年初から価格が約2倍となっていたSOXXは6%強下げ、エヌビディアも一時3.3%下落した後、下げ幅を縮めた。
AI向け設備の需要急増を背景に半導体株は四半期ベースで過去最高のパフォーマンスを記録したが、市場では上昇相場の先行きに懐疑的な見方も出始めている。フィラデルフィア半導体株指数は4-6月(第2四半期)に88%上昇し、上期では101%上昇した。年間としても過去最高の上昇率となる勢いだ。
バーリ氏は、「SOXXは指数として割高の典型だ。こうした状態はめったに見られず、これほど容易に見抜ける例はない」と投稿した。
4月にはSOXXのプットオプションを新規ポジションとして購入したと明らかにしていた。SOXXだけでなくフィラデルフィア半導体指数についても「200日移動平均線からの上方乖離(かいり)は歴史的な高水準にあり、2000年以来見られなかった水準だ」と指摘した。
今回の投資判断はAI関連銘柄全般への弱気姿勢を示す内容だが、テスラに対する弱気姿勢は一貫している。昨年12月にはテスラ株を「著しく割高」と評し、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する1兆ドル(現在のレートで約163兆円)規模の報酬案を受け、株式の希薄化が続くとの見方を示していた。
テスラ株は6月30日、420.60ドルで取引を終えた。年初来では5%以上下落している。
原題:Michael Burry’s Short Call Dents Caterpillar’s AI-Fueled Rally(抜粋)
--取材協力:Jordan Fitzgerald、Carmen Reinicke、Angel Adegbesan.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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