(ブルームバーグ):アンソロピックは最新のAIモデルについて、トランプ政権が外国籍ユーザーのアクセス規制を解除したと明らかにした。だが、その後も同社の高性能AIモデル「ミュトス(Mythos)5」へのアクセスは米国の一部機関に限定され、外国の政府や企業、金融機関は不透明な状況に置かれている。
アンソロピックは6月30日遅くに公開したブログで、ミュトス5に近い性能を持ち、より幅広い利用を前提としたモデル「フェイブル(Fable)5」は7月1日から外国籍のユーザーも利用可能になると発表した。
より高性能なミュトス5を巡っては、アンソロピックの認定を受けた企業による利用プログラム「プロジェクト・グラスウィング」を通じた国内外からのアクセスについて米政府との協議が続いていると説明した。
だが、事情に詳しい関係者によると、どの機関がアクセスを得られるかについては米政府が引き続き指示している。
こうしたツールを誰が利用できるかを巡るトランプ政権の不透明な制限は、米国の同盟国の多くがデジタルセキュリティー面で米国の政策に大きく左右される状況を浮き彫りにする。
同時にアンソロピックは、最先端AIモデルに対する規制の実験台のような存在となっている。
アンソロピックはミュトスを一般には公開せず、「グラスウィング」を通じて審査を通過した50の機関にのみ、4月にまずアクセスを付与。6月には15カ国の150機関へと拡大した。サイバーセキュリティー上の脆弱性を発見する能力が極めて高いため、悪意ある第三者に悪用される前に脆弱性の修正を促すことが目的だった。
だが、商務省は6月12日、ユーザーの所在地またはミュトスかフェイブルかを問わず、外国籍ユーザーの利用に米当局の許可取得を義務づける規制を導入した。先週になって安全対策がなされたとして、当局はミュトス5への利用制限を一部緩和。6月30日には外国籍ユーザーに対するアクセス規制も解除した。
ただ、アンソロピックの広報担当者は、「グラスウィング」に当初から参加していた米国内の機関についてはアクセスを回復させているとした一方、国外の参加機関へのアクセス再開時期は未定だと説明した。
ミュトスを巡っては、日本の金融機関がアクセスを認められる見通しだった一方、欧州の銀行は認められないなど、これまでも対応が分かれていた。
原題:US Limits on Anthropic’s Mythos Keep Foreign Firms in Limbo (1)(抜粋)
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