1日の日本市場では円が対ドルで下落。堅調な米経済指標や日米金利差を意識した円売り・ドル買いで一時162円80銭台まで下げを広げた。三村淳財務官の発言を受けてやや買われる場面もあったが、約40年ぶり安値圏での推移が続いた。株式は3日続伸、債券は下落(金利は上昇)した。

米国の経済指標が景気の底堅さを示し、米金融当局による利上げ期待が高まる半面、日本銀行の利上げは遅れる可能性が意識されている。政府は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で高市政権の方向性に合わせて適切な金融政策を日銀に求める見通しで、市場では利上げけん制との受け止めが広がっている。

外為どっとコム総合研究所の中村勉為替アナリストは、円の買い材料はもはや為替介入しかないとした上で、「164円、165円まで円安が進むと介入の可能性は高まると思うが、市場では今の段階ではないのではないかとの見方もある」と説明。円安・ドル高の流れはしばらく続くと予想している。

こうした中、三村財務官はブルームバーグのインタビューに応じ、日米通貨当局の連携は最も緊密な状態にあるとの認識を示した。4月末以降に実施した為替介入後も、米側からの異論は「ただの一度も出ていない」と述べた。発言を受けて円は一時やや下げ幅を縮めた。

みずほ銀行国際為替部為替スポットチームの南英明ディレクターは、当局による円安けん制のトーンが最近弱まっていた中、実務トップから改めて円安を警戒するメッセージが発せられたことで、為替介入への警戒感が強まり、ドル・円の重しになっていると述べた。また、日本の為替対応について米国の理解が得られているかどうかは、市場参加者の大きな関心事だったと話した。

為替

りそなホールディングス市場企画部の井口慶一氏は、前回4月の為替介入局面と異なり、米金融政策が想定以上にタカ派となり、政府の骨太方針も市場で日銀をけん制する内容と受け止められ、円安材料になっていると指摘。「じりじりと円安が進みやすい」と言い、介入があってもこのままなら近い将来に円は170円に到達するとの見方を示した。

三井住友信託銀行ニューヨークグローバルマーケッツ部の山本威調査役は、介入があるとすれば、独立記念日の振り替えで米国が休場となる3日の流動性の低い時や、2日発表の米雇用統計が弱い内容となりドルが下落した場合など、タイミングを見極めるのではないかとみていた。

株式

株式は3日続伸。前日の米国株高の流れを受けて東京エレクトロンや村田製作所などAI関連銘柄が買われたほか、機械や銀行などが高かった。韓国株相場の下げが拡大し、指数は上げ幅を縮める場面もあった。

アセットマネジメントOneの浅岡均チーフストラテジストは「AI・半導体関連のボラティリティーが高い地合いは残っている」と指摘。人気化しているグローバル半導体をテーマとした上場投資信託(ETF)には日本と韓国の銘柄が組み入れられていることから両市場は連動しやすいと述べた。

個別では半導体材料などの成長戦略を示した味の素株が最高値を更新。一方、第1四半期の営業減益を発表したJ.フロントリテイリング株や、公募増資などを検討していると伝わった川崎重工業株は急落した。

朝方発表された6月の企業短期経済観測調査(短観)で大企業製造業の景況感が約8年ぶりの高水準となったことは相場の支えになった。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは市場の想定以上に企業の景況感が強く、エネルギー価格上昇などの業績影響は今のところ限定的だとの見方が広がっていると指摘した。

債券

債券は下落。米金利上昇に加え、あすの10年債入札に対する警戒感も売りにつながった。

BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、超長期債はきのう大きく崩れた反動で買いが入っているとした上で、政府の積極財政への懸念から地合いは悪化したままで、買い手が慎重になっていると指摘。軟調な相場展開が続けば、あすの10年債や来週の30年債の入札をきっかけに金利上昇リスクは強まるとみていた。

SMBC日興証券の丸山凜途シニア金利・為替ストラテジストは、10年債入札は無難に消化されると予想している。金利が調整して2.7%程度で推移しており、一定の需要が見込めるとの見方を示した。

新発国債利回り(午後3時時点)

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:我妻綾.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.