(ブルームバーグ):中国共産党の党創建105周年記念式典が北京で1日開かれ、習近平総書記(国家主席)は共産党を世界の進歩と繁栄を支える存在と位置付け、その役割を強力な軍事力が支えるとの考えを示した。国際社会で主導的な地位を強めようとする中国の姿勢を改めて鮮明にした。
習氏は人民大会堂で演説し、共産党が「人類の進歩の新たな形を創造」しており、途上国の近代化への道を切り開いていると強調。「党が指導する社会主義中国は、世界平和の建設者、世界の発展への貢献者、国際秩序の擁護者として認められている」と述べた。
中国政府が提唱する「グローバル・ガバナンス・イニシアティブ」などもアピールしたが、この構想の具体像ははっきりしていない。一方で、軍事力を強化する方針も示し、「改革や科学技術、人材育成を通じて軍を強くする」と表明した。
習氏をはじめとする中国指導部はこれまでも、現在1億人を超える党員を擁する共産党を中国の発展の中核と捉えてきた。今回の演説は、中国が国際舞台でより存在感の大きい役割を果たそうとする意欲が高まっていることを改めて裏付けている。
また、ブラジルやロシア、インド、中国、南アフリカなどから成るBRICSのような国際的な枠組みを活用し、途上国を結集して、習氏が米国の影響力低下とみる状況への対抗軸を築こうとする取り組みを浮き彫りにする内容となった。
習氏は約40分間に及んだ演説で、米国に直接言及しなかったものの、中国の目標実現を阻む障害があるとほのめかし、「敵がどれほど強大であろうと、道のりがどれほど険しかろうと、試練がどれほど厳しかろうと、わが党は恐れることなく屈することなく、全国人民を導いて勝利を重ねてきた」と語った。
習氏は式典出席者や国営テレビで視聴する国民に対し、繰り返し「自信を堅持する」よう呼びかけ、さらに、「台湾問題」の解決を含め、「中華民族の偉大な復興」を実現するとの目標を改めて示した。
台湾を統治したことのない中国共産党だが、人口2300万人の台湾を自国領土の一部だと主張。台湾は今や半導体製造の世界的中心地にもなっている。
習氏が5月に北京で行ったトランプ米大統領との会談後も、台湾は米中関係における最も難しい問題の一つとなっている。米国による台湾への武器売却に中国は反発しており、習氏は必要であれば武力行使も辞さず、台湾との「祖国統一」を目指すとしている。
台湾政府はこれに対し、台湾はすでに独立しているとの立場を示す一方、中国による攻撃に備えた防衛体制を強化している。
習氏は演説で、2012年の総書記就任後の中心的な取り組みの一つである汚職官僚の摘発を今後も継続すると説明。「党の先進性と純潔性を損なうあらゆる要因を断固として取り除き、党の健全性を蝕む全てのウイルスを排除し、革命による鍛錬を通じて強い党を築く」と述べた。こうした反腐敗運動は政敵の排除にもつながるとみられている。
6月に73歳になった習氏は来年の党大会を前に、自らを「人民の指導者」と位置付ける取り組みを続けており、国家主席の任期制限を撤廃したことにより可能となった4期目となる任期(5年)を目指すと考えられている。
原題:Xi Positions China’s Ruling Party as Global Force for Progress(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.