(ブルームバーグ):パキスタンは、28、29両日にアフガニスタンとの国境沿いで地上作戦と空爆を実施し、武装勢力29人を殺害したと発表した。攻撃に対する報復だとしている。ここ数週間で最大規模の越境衝突となった。
死者にはパキスタン西部カイバル・パクトゥンクワ州のバジャウル地区で実施した地上作戦で殺害した4人が含まれ、パクティア州、パクティカ州、クナール州の国境地帯にある「テロリストの拠点や隠れ家への精密攻撃」では25人を殺害した。パキスタンのタラル情報・放送相は29日、X(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。
同氏によると、拠点や隠れ家に保管されていた「大量の武器や弾薬」も破壊した。武装勢力について、同氏は、パキスタン側が「インドの支援を受ける代理組織」に位置付ける「ジャマト・ウル・アハラル」と、「フィトナ・アル・ハワーリジュ」に所属していたと特定。一方、インド外務省は、同国が武装組織を支援しているとの主張は「根拠がない」と述べた。
カブールのタリバン主導の政権は攻撃を非難し、パクティア、パクティカ、クナールの各州で女性や子どもを含む民間人36人が死亡し、160人が負傷したと主張した。
フィトラト副報道官はXへの投稿で、パキスタン軍の戦闘機がパクティア州の民家を爆撃し、「住民が救助活動のために集まったところ、その場所が再び爆撃され、その結果、村民28人が殉教し、さらに158人が負傷した」と主張した。
国連アフガニスタン支援ミッションは声明で、28日遅くにパクティア、パクティカ、クナール各州で実施された空爆により、女性や子どもを含む少なくとも28人の民間人が殺害されたと発表した。また、49人が負傷したとし、これらは暫定的な数字で、病院で負傷者の治療が続いているため、さらに増える可能性があると説明した。
3月の「イード」祝日中には短い停戦があったが、カタール、トルコ、サウジアラビア、中国による仲介が不調に終わり、この1カ月でパキスタンとアフガニスタン間の衝突は激化している。戦闘は2月に始まり、パキスタンはアフガニスタンを拠点に活動していると主張する武装組織に対する越境作戦を強化した。一方、アフガニスタン側は武装勢力に避難先を提供しているとの主張を繰り返し否定している。
また、パキスタンは国内で発生する武装勢力による攻撃についても、インドが関与していると繰り返し非難しているが、インドはこれを否定している。
非国家主体や政治経済の動向を専門に追う「コラサン・ダイアリー」のエディター、イフティハル・フィルドゥース氏は「パキスタンによるアフガニスタンでの対テロ作戦は、外交上の行き詰まりの結果だ。外交交渉も国際的な介入も、これまで成果を上げられなかった」と指摘。今回の衝突は両国関係が「管理された対立」へと移行しつつあることを示唆すると指摘した上で「どちらも全面戦争を望んでいるようには見えないが、形式上は外交ルートを維持しながら、限定的な武力行使を辞さない姿勢を示している」と述べた。
アフガニスタンは3月、カブールの病院へのパキスタンの空爆により、これまでで最多となる少なくとも400人が死亡したと発表した。これに対し、パキスタンは攻撃の標的は軍事施設だったとしていた。両国関係は、2021年にタリバンがアフガニスタンで再び政権を掌握して以降、悪化している。
これに先立ち、パキスタン政府は、27日夜に港湾都市カラチの施設に対する武装勢力の攻撃を治安部隊が阻止し、襲撃者3人を殺害、負傷した1人を拘束したと発表していた。
原題:Pakistan Says Strikes Kill 29 Afghans in New Border Flare Up (3)(抜粋)
--取材協力:Akriti Sharma、Sudhi Ranjan Sen、Michael Heath.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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