片山さつき財務相は30日の閣議後会見で、足元の円安進行に関し、必要に応じて「いつでも適切に対応するということに尽きる」と市場をけん制した。1ドル=162円台と約40年ぶり安値まで下落したが、踏み込んだ発言はみられなかった。

片山財務相は、足元の為替動向については具体的なコメントは控えた。為替への対応については、「断固たる措置が含まれることは、先般の日米財務相会合でも確認をしている」と語った。

30日朝の円相場は対ドルで一時162円40銭と、1986年12月以来の安値を更新した。米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、米国の利上げ観測が高まっていることに加え、中東で停戦合意が難航し先行き不透明感が強まっていることを背景に、安全資産とされるドルが買われている。片山財務相の発言後も、大きな動きはなかった。

会見で、発言のトーンが変わったのではないかと問われた片山財務相は、自身のコミュニケーションは一貫しているとの認識を示した。ただ、これまでたびたび用いてきた「断固たる措置」との表現は、最近では自発的に使うというよりも記者に問われて言及する場面がみられ、30日の会見でも同様だった。

日本の通貨当局によるこれまでの度重なる口先介入は、市場に慣れを与えてしまい、足元でその効果は失われつつある。

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

政府・日本銀行は5月27日までの1カ月間に月次で過去最大規模となる11兆円超の介入を行ったが、足元では介入時の水準を超えて円安が進んでいる。追加介入に対する意識が高まる中、市場では通貨当局者の発信の変化を注視している。

片山財務相は4月30日に実施した為替介入に先立ち、「いよいよ断固たる措置を取るタイミングが近づいている」とした上で、スマートフォンを手放さないよう市場に呼び掛け、明確なシグナルを発していた。

今月22日にはベッセント米財務長官とオンライン会談を実施。翌23日、為替市場への対応に関し、必要なら断固たる措置を取るとの日米合意は「全く揺るぎはない」と発言していた。

(背景などを追加して更新します)

--取材協力:横山恵利香.

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