(ブルームバーグ):原油相場は25日の取引で反発。オマーン沖のホルムズ海峡で船舶が飛翔体の攻撃を受けたことから、同海峡を通過する原油輸送の動向を注視する展開となった。米国とイランの和平交渉が進む中、航行する船舶の安全性を巡る懸念が再燃した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物8月限は前日比1.58ドル(2.3%)高の1バレル=71.92ドルで終了。北海ブレント先物8月限は1.52ドル(2.1%)上昇の75.26ドルで取引を終えた。ブレントはこれに先立ち、ホルムズ海峡を通過する輸送量の回復を背景に、戦時下での上昇分を全て失っていた。
英国海事貿易機構(UKMTO)は、オマーン南東沖を航行中の貨物船に飛翔体が命中し、船橋が損傷したと発表。船舶に対し、「注意して航行するよう」勧告した。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、同貨物船はイランによる攻撃を受けたと報じた。攻撃で船橋は損傷したものの、死傷者は出なかったと伝えた。
UKMTOが攻撃と認定した今回の事案でイランの関与が確認されれば、船主や乗組員の間でようやく回復しつつあったホルムズ海峡の安全航行への信頼が再び揺らぐ可能性がある。
この数時間前には、同海峡の通航を試みていた複数の商船が引き返しており、海峡を通過する輸送がどの程度早く正常化するのか懸念が改めて強まった。国連の国際海事機関(IMO)は、ホルムズ海峡で実施している退避活動を一時停止したと明らかにした。
TP ICAPのアナリスト、スコット・シェルトン氏は「ホルムズ海峡で船舶が攻撃を受けたことなどを受け、きょうは複数の船舶が引き返した」と指摘。「IMOが船舶退避活動を一時停止したことも、価格を押し上げた」と述べた。
米国とイランが今月、暫定的な和平合意に署名して以降、ホルムズ海峡を通航する船舶は着実に増加し、数百万バレル規模の供給増につながっていた。この合意では、米国がイランの港湾封鎖を解除する見返りとして、イランが同海峡の安全な航行を確保することが定められていた。
原油価格は今月に入り下落基調が続いている。それまでの数カ月間は急激な値動きが続き、北海ブレント原油は一時1バレル=125ドルを超えていた。現物原油価格は過去最高水準まで急騰したものの、その後は急落。中国を中心とした需要低迷に加え、中東でのパイプラインを活用した代替輸送や戦略備蓄の大規模放出を受け、最悪のシナリオを想定した価格見通しは現実化しなかった。

原題:Oil Gains as Ship Attack Raises Concern About Hormuz Reopening(抜粋)
--取材協力:松山かの子.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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