バーナム新英首相は就任に際し、投資拡大のため、財政ルールの範囲内で「柔軟性」を用いると語った。金融市場を不安定化させ、逆効果になりかねない発言だと英財務省当局者は懸念している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

バーナム氏は首相に就任した7月20日、スターマー前政権が定めた財政ルールを順守するとしながらも、「その範囲内であらゆる柔軟性を当然用いる」と述べた。

スターマー前政権は2024年、29-30会計年度までに歳出と税収を均衡させる一方、純金融債務残高(PSNFL)という新たな基準の下で、公的債務の国内総生産(GDP)比率引き下げを求める財政ルール見直しを行った。PSNFLとは、非流動性の金融資産・債務も含めバランスシートを評価する指標だ。

PSNFLでは、バーナム首相が優先分野と位置付ける住宅や交通、防衛関連の投資も資産としてカウントされ、理論的にはほぼ無制限の借り入れが可能になる。バーナム氏は見直し後の財政ルールを大いに活用したい意向だ。

バーナム英首相

ある当局者によると、新政権が従来より積極的にルールを運用するのではないかという観測が高まった結果、投資家の動揺や借り入れコスト急上昇を巡る不安が生じた。そうしたリスクを当局は「警戒」しているという。

英政府の第1の財政ルールは日常的経費を税収で賄うことを義務付けているが、資本支出は対象外であり、将来の成長のための投資であれば借金で賄うことが認められる。

投資のための借り入れも、公的金融機関を通じて民間事業者に貸し付けとして提供される限り、公的債務のGDP比率を引き下げる第2の財政ルールの制約を受けない。貸し付けは発生した負債を相殺する金融資産となる。

その結果、公的金融機関経由の投資のための借り入れは、実質的に消えるが、必要な追加借り入れの利払いコストが財政ルールの制約として残る。

投資のための「柔軟性」が、拘束力ある制約を伴わない財政上の欠陥と見なされることを財務省当局者は恐れている。公式の債務・借り入れルールを満たしても、公的部門の純債務残高や純借入高という標準的指標は上昇する可能性があり、英政府は国債を引き続き発行する必要があるだろう。

原題:Burnham’s Fiscal ‘Flexibility’ Could Backfire, Officials Fear(抜粋)

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