欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン理事は16日、イラン戦争によって引き起こされ、まだ十分には表面化していないインフレに備える必要があるとの認識を示した。

レーン氏はロイター通信主催のイベントで、米国とイランがホルムズ海峡の再開に向け暫定合意したものの、原油価格の動向は単純に危機前の軌道へ戻ったわけではないと述べた。

同氏は「エネルギー価格が4カ月高止まりしたことから、今後のインフレ動向の推移を見れば、インフレ率が3%を上回ることが予想される。今年から来年にかけ、食品や財、サービスに対する間接的な影響が生じるだろう」と述べた。

ECBは先週、2023年以来となる利上げを決定し、イラン戦争で引き起こされたインフレが、エネルギー分野を超えて広がりつつあると警告した。ラガルド総裁は15日のインタビューでも、同様の発言を繰り返した。

投資家やエコノミストは引き続き、年内にさらに0.25ポイント利上げが少なくとも1回あり、中銀預金金利が2.5%となると予想している。インフレ率は当面、ECBの目標2%を大きく上回る水準で推移すると見込まれている。

ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は15日、たとえホルムズ海峡の運航が再開されたとしても、原油供給が正常化するまでには数カ月を要するとの見通しを示した。そのため、高いエネルギーコストが今後の消費者物価にさらに反映される可能性が高いという。スペイン中銀のエスクリバ総裁も同様の見方を示し、生産能力の回復が必要なことから、エネルギー供給を巡る混乱は今後も続く可能性が高いとしている。

原題:ECB’s Lane Says Inflation Is in the Pipeline Despite Iran Deal(抜粋)

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