米国とイランはエネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡を再開させる暫定的な和平合意に達した。イランの核開発計画を巡る協議開始でも一致し、60日間の交渉に道が開かれる。数千人の犠牲者を出し、世界経済とエネルギー市場を揺さぶり続けた戦争がようやく終息に向かう。

トランプ米大統領は14日、米国とイランとの間で、軍事作戦の停止を含む和平合意が成立したと明らかにした。「イラン・イスラム共和国との合意が完了した。ホルムズ海峡の通航料なしの開放をここに正式に承認し、米海軍による封鎖の即時解除も同時に承認する」とソーシャルメディアに投稿した。

さらに「合意が19日に署名されれば、海峡を再開させる」とトゥルース・ソーシャルへの投稿で言及した。合意の正式署名は、19日にスイスでが行われる見通し。トランプ氏は日程について、「機雷の除去が目的」としたが、合意の一部が未解決のままである可能性をうかがわせる。

パキスタンのシャリフ首相も米とイランとの間で和平合意が成立したとX(旧ツイッター)に投稿した。首相によれば、双方が「軍事作戦の即時かつ恒久的な終了」を宣言した。交渉の障害となっていたレバノンでの軍事作戦終了も合意に含まれるという。

イラン国営メディアは今回の合意を「米国による降伏」と表現。「イランは敵対する米国とイスラエルにあらゆる戦線で戦争終結を強いた」と国営テレビは伝えた。複数のイラン当局者によると、合意文書は署名後に公表される。

米とイランとの合意が伝えられたことを受け、アジア時間15日午前の取引で、国際原油価格は急落した。北海原油代表油種ブレント先物は一時4.4%下げ、1バレル=83.51ドルの安値を付けた。

イラン戦争に伴うホルムズ海峡の実質的封鎖により、石油や液化天然ガス(LNG)を輸送するタンカーなど数百隻の船舶は、身動きの取れない状態が続く。

米とイランは合意文書の内容を公表していないが、ホルムズ海峡で相互に実施している封鎖を終わらせることなど、大まかな概要は数日前から伝えられていた。両国は互いに攻撃しないこと、イランの核開発計画を巡る交渉を開始することで合意した。イランの石油輸出を対象とする制裁も緩和される。

双方が勝利を主張する一方、深い相互不信が残っており、より広範な合意に達することができるか重大な疑念が存在する。イスラエルのレバノンへの新たな攻撃が合意を土壇場で危うくした経緯があり、イスラエルの出方も不透明要因だ。

トランプ大統領は、戦争の引き金となったイランの核能力や弾道ミサイル計画の問題について、先送りしているだけと批判する国内のイラン強硬派から激しい反発に直面する恐れがある。

イランがどのような経済的インセンティブを受け取るかも不明だ。米当局者が12日に記者団に語ったところでは、米国が示した一連の要求をイランが満たすたびに経済的見返りを得るという合意の枠組みが検討されているという。

原題:US and Iran Agree to Deal Halting War That Shook the Middle East、Trump Says Hormuz Strait to Open Friday Upon Deal Signing、Pakistan Says US And Iran Have Reached a Peace Deal(抜粋)

(イラン国営メディアの反応などを追加して更新します)

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