和平合意に向けた米国とイランの協議は膠着(こうちゃく)状態に陥っており、進展の兆しは見られない。米国が仲介したイスラエルとレバノンの停戦合意を巡っても、親イラン派武装組織ヒズボラが受け入れを拒否した。

トランプ米大統領は4日、停戦協議は「最終」の段階にあると述べた。一方、これに先立ちイランの外相は交渉が行き詰まっていると表明した。3日には、米国がイラン向けの石油タンカーを攻撃したことへの報復として、イランがクウェートとバーレーンに向けてミサイルとドローンを発射。クウェートの主要空港で1人が死亡し、数十人が負傷した。

レバノンでは、米国務省が停戦合意を発表した数時間後に、ヒズボラはその条件には従わないと表明した。レバノン保健省によると、イスラエル軍の攻撃で少なくとも8人が死亡。またイスラエル軍は、ヒズボラが自軍兵士に向けて複数のロケット弾を発射したと発表したが、負傷者は報告されていない。

ヒズボラによる停戦拒否について、ホワイトハウスで記者団から問われたトランプ氏は、「彼らは私を拒否したわけではない」と述べたうえで、敵対行為の停止について協議するため「彼らの方から連絡してきた」と主張した。

戦闘が続いているにもかかわらず、3日連続の上昇をみせていた原油先物は下落に転じた。投資家は、米国によるレバノン停戦合意の発表を受けて楽観的な見方を強めている。ただし、トランプ氏がイランとの戦争を終結させるにあたり、イスラエルによるレバノン攻撃が大きな障害となっている。

イランが核開発計画を巡る要求やホルムズ海峡再開に関する条件を受け入れていないにもかかわらず、トランプ氏は合意は近いと繰り返し主張している。米国とイスラエルが2月28日にイランを攻撃して以降、ホルムズ海峡における原油輸送の大部分は遮断されており、在庫が取り崩されるにつれて原油価格が再び急騰する可能性があると業界関係者は警告している。

トランプ氏は4日、ソーシャルメディアへの投稿で、「イランとの戦争終結に向けた最終交渉の真っただ中にある」と指摘。交渉の詳細には触れず、米下院がイラン戦争の停止を求める決議案を可決したことに不満をぶちまけた。

この決議案は対イランでの軍事行動を終わらせる効力はないが、この戦争が米国内でますます不人気になっていることや、共和党内でも中間選挙への影響を懸念する声が高まっていることを反映している。

トランプ氏の投稿の数時間前には、イランのアラグチ外相は「米国との交渉プロセスで、目に見える進展は達成されていない」と述べていた。準国営タスニム通信が伝えた。

イランが提示した条件の一つは、イスラエルによるレバノン攻撃の停止だった。レバノンでは、イスラエル軍がヒズボラ排除に向けた大規模作戦を展開している。

「イランにとっての問題は、トランプ氏はイスラエルを抑制できるのかという点だ」と米シンクタンク、アトランティック・カウンシルの上級研究員で、元米政府高官のネイト・スワンソン氏は指摘する。「レバノンでイスラエルを抑制できないなら、どうやってイランを巡って抑制できるのかという疑問が生じる」という。

ヒズボラ指導者のナイム・カセム師は4日、イスラエルとレバノンの停戦合意は「ばかげている」と切り捨て、停戦条件に従わないと表明。ヒズボラは停戦交渉には加わっておらず、戦争終結やイスラエル軍撤退の条件として、ヒズボラのレバノンにおける活動を制限することは受け入れがたいとの立場を示した。レバノン南部では衝突が続いた。

原題:US-Iran Talks Progress Stalls After Hezbollah Rejects Truce (2)(抜粋)

(第4段落のトランプ氏の発言などを加えて更新します)

--取材協力:Carla Canivete.

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