(ブルームバーグ):4日の日本市場では株式が下落し、日経平均株価は一時1000円超安となった。米国とイランの軍事衝突再燃を受けて原油価格が上昇し、相場のけん引役だった人工知能(AI)関連株に売りが広がった。円は対ドルでやや上昇、債券は小幅下落(金利は上昇)している。
米国とイランの戦闘は4月上旬の停戦発効後で最も深刻な衝突に発展した。戦闘の余波はクウェートやバーレーンにも及び、原油価格の上昇につながった。東証株価指数(TOPIX)採用銘柄では値下がり銘柄が値上がりの2倍以上で、ソフトバンクグループやフジクラなどAI関連株の一角が相場を押し下げた。時価総額でトヨタ自動車がソフトバンクGを抜いて首位に返り咲いた。
和キャピタルの村松一之運用本部部長は、直近の日本株は米国株を上回るペースで上昇していたと指摘。「ホルムズ海峡の運航再開が遅れるリスクを市場は懸念せざるを得ない状況になりつつある」と話した。
株式
株式相場は中東情勢を巡る不確実性の高まりを背景とする原油価格の高止まりを嫌気している。当局による円買い介入への警戒感が高まっていることも相場の重しになっている。
米国務省は3日、イスラエルとレバノンは停戦の実施で合意したと声明で発表したが、市場への影響は限定的にとどまった。
野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストはドル・円相場で円が一時160円を突破し、介入警戒感から株式投資家は積極的に買いづらいと話した。
為替
為替相場では、円が対ドルで159円台後半とやや上昇している。
三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室の小野寺孝文ファーストバイスプレジデントは為替相場について「戦闘のヘッドラインや和平交渉が長引いていることで、目先の停戦期待がはく落している」と指摘した。
日本の通貨当局による介入警戒感は残るが、大型連休中の介入効果が限定的だったことから、160円前半の水準では当局は様子見姿勢を続ける可能性が高いとの見方を示した。
日本銀行の植田和男総裁は3日の講演で、中東情勢が不透明な状況でも経済の下振れリスクに比べ、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には「利上げの是非についてしっかりと議論する必要がある」とした。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストはリポートで、講演を受けて円が買い戻される場面もあったが、「ドル・円のじり高に歯止めが掛かっていない」と分析。米国とイランの早期合意への期待がしぼむ中、相場は介入ラインを試す形でドル高・円安方向への圧力が続きやすいと指摘した。
債券
債券は下落。
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、米経済指標が総じて堅調だったことからインフレ懸念が意識され、米金利上昇の流れが国内債相場の重しになっていると指摘した。2日の10年債入札以降は需給の悪さも残っているという。
植田総裁の講演については、追加利上げはすでに市場で織り込み済みで、次に考えることは利上げのペースを加速させ、幅を広げることだが、総裁からそうした発信はなかったと指摘。市場では今後の利上げペースや到達点への関心が高まっているとみる。
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