(ブルームバーグ):4日の日本市場は株式が下落。米国とイランの軍事再衝突を受けて原油価格が一時上昇、相場のけん引役だった人工知能(AI)関連株を中心に売りが広がった。日本銀行が月内に加えて年内にも追加利上げする可能性があると伝わり、円が上げを拡大する場面があった。
米国とイランの戦闘が4月上旬の停戦発効後で最も深刻な衝突に発展、原油高止まりにつながった。前日まで相場を押し上げていたソフトバンクグループといったAI関連株の一角が下げた。ソフトバンクGの下落で時価総額首位はトヨタ自動車が返り咲いた。円が対ドルで一時159円61銭まで急上昇、金利上昇が収益増に貢献する銀行株が買われた。債券は下落(金利は上昇)。

中東情勢ではイスラエルとレバノンが停戦で合意、米はイランとの協議の前進を目指すが、先行き不透明感は晴れずに依然として市場を揺さぶっている。
和キャピタルの村松一之運用本部部長は、直近の日本株は米国株を上回るペースで上昇していたと指摘。「ホルムズ海峡の運航再開が遅れるリスクを市場は懸念せざるを得ない状況になりつつある」と話した。
株式
株式相場は中東情勢を巡る不確実性の高まりを背景とする原油価格の高止まりを嫌気した。当局による円買い介入への警戒感も相場の重しとなった。
米国務省は3日、イスラエルとレバノンが停戦の実施で合意したと声明で発表したが、市場への影響は限定的にとどまった。
野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは、ドル・円相場で円が一時160円を突破し、介入警戒感から株式投資家は積極的に買いづらいと話した。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、相場に過熱感があったところに中東情勢を巡る緊張が高まり、短期筋が売りに出ているようだと指摘。イスラエルとレバノンの停戦合意が発表されたものの、原油価格の下落も限定的で、市場参加者は信じ切れていないのではないかと話した。
この中で 三菱UFJフィナンシャル・グループ株が一時2.3%高で上場来高値を付けるなど、利上げ観測の高まりから銀行株が午後の取引で上昇した。

為替
為替相場では、円が対ドルで159円台後半とやや上昇した。
セントラル短資FX市場業務部の富永貴之部長は日銀報道を受けて「市場は素直に反応した」と指摘し、6月利上げはほぼ織り込まれたとの見方を示した。その上で月内の日銀金融政策決定会合では中東情勢やインフレ認識に加え、利上げパスに関する発言に注目しているとした。ドル・円については反応したが「追加利上げまでの距離感を見極める必要があるため戻した」と述べた。
植田総裁は3日の講演で、中東情勢が不透明な状況でも経済の下振れリスクに比べ、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には「利上げの是非についてしっかりと議論する必要がある」としていた。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、5日に発表される米雇用統計に注目している。最近の米経済指標は総じて堅調で、雇用統計も強い内容となれば米金利上昇を通じてドル買いが強まり、ドル・円は再び160円台に乗せる可能性があるとみる。
160円台は介入が意識される水準だが、片山さつき財務相の発言では従来使われていた「断固たる措置」といった表現が見られず、当局のけん制姿勢はややトーンダウンしているとの見方を示した。そのため、市場では円を積極的に買い戻す動きも限られているという。

債券
債券は下落。植田日銀総裁の講演を受けた追加利上げ観測で、中期ゾーンを中心に金利上昇圧力が強まった。
BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、総裁講演で市場が6月の追加利上げを織り込んだことが中期ゾーンの金利上昇圧力につながっていると指摘した。
一方で、市場の関心はすでに6月利上げ後のペースや到達点に移っていたと説明。植田総裁からは市場が期待したほど強いメッセージは示されなかったとし、「市場の期待を超えるような強気のコメントがなければ、マーケットの信認は得られないだろう」と述べた。超長期金利の上昇圧力は当面残るとの見方を示した。
新発国債利回り(午後3時時点)

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--取材協力:我妻綾.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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