米投資ファンドのブラックストーンが、傘下の決済サービス会社、SP.LINKS(旧ソニーペイメントサービス)の売却手続きを進めていることが3日、分かった。すでにソフトバンクグループ傘下の携帯通信事業者、ソフトバンクなどが2次入札に進んだ。

非公開情報であるとして、匿名を条件に語った複数の関係者によると、2次入札は7月中旬をめどに締め切られるとみられ、売り手側は総額1000億円前後での売却を目指しているという。ソフトバンクのほか、プライベートエクイティー(未公開株、PE)ファンドなど数社が1次入札を通過した。

ソフトバンクのロゴ

ソフトバンクは完全子会社として競合のSBペイメントサービスを抱えており、SP.LINKSを取り込むことで規模拡大や不正探知対策コストの共同化などの相乗効果が見込めると判断したとみられる。

クレジットカードに加え、「PayPay」「Suica」など電子決済サービスの普及により、国内のキャッシュレス決済市場は広がりを見せている。経済産業省のデータによると、2025年の決済額は約163兆円、全体に占める割合は58%と、20年の約86兆円、37%からそれぞれ拡大した。

キャッシュレス市場は、決済代行業者の成長機会が大きい一方、不正利用増加などへの対応が課題となっている。複雑化した本人認証システムの構築や不正検知関連投資などで費用負担が年々増していることもあり、業界全体に再編圧力がかかっている。

例えば、日本クレジット協会の調査によると、25年のクレジットカード不正利用額は約511億円と、6年前(274億円)の倍近い金額に上っている。決済代行業者にはSP.LINKS、SBペイメントのほか、GMOペイメントゲートウェイなどがある。

ブラックストーンは24年1月にソニーグループから旧ソニーペイメント株式の80%を約400億円で買収。ソニーフィナンシャルグループ傘下のソニー銀行が継続保有する20%を含めた全体の企業価値は500億円としていた。ソニー銀が今回、株式売却に応じるかどうかが、買収総額を左右する面もある。

ブラックストーンの広報担当者はコメントを控えた。ソフトバンクの広報担当にコメントを求めたが、回答は得られていない。

--取材協力:Min-Jeong Lee.

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