米小売り大手ウォルマートは、社員による人工知能(AI)ツールの利用を制限している。需要急増を受けた措置で、AIを業務に取り入れる際のコストを各社が見直しつつあることを示している。

ウォルマートは、AIエージェント「コード・パピー(Code Puppy)」について、社員1人当たり一定量の「トークン」を割り当てる方式に切り替えた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。情報の非公開を理由に匿名を条件に語った。

コード・パピーは表計算からプレゼンテーション資料の作成まで幅広い業務を支援するツール。従来、社員はトークンを無制限に利用できた。トークンとは、AIの計算処理で扱うデータの単位を指す。

コード・パピーはウォルマートが自社開発したもので、業務効率化に向けて事業全般にAIを取り入れる取り組みの一環として社員に提供された。関係者によると、社員はアンソロピックの「Claude(クロード)」やOpenAIの「ChatGPT」など他のサービスも利用できる。

ウォルマートの広報担当者は、社員に価値を創出する形でAIを活用してほしいと考えており、適切な業務に適切なAIを使えるよう、必要なスキルや指針の面で支援していると説明した。その上で、社員が試行錯誤を重ね、課題を解決し、より良い顧客体験を生み出せるよう後押しするのが同社の方針だと述べた。

企業はAIを業務の流れに組み込もうとしているが、それがコストを伴うことを認識し始めている。とりわけ社員がAIを多用したり、大量のデータを扱う作業に用いたりした場合に顕著だという。報道によると、ウーバー・テクノロジーズは年間のAI予算をわずか数カ月で使い切ったとされ、マイクロソフトは自社デベロッパーに対し、Claudeコードへのアクセス提供を一部縮小したと伝えられている。

それでも、小売りから金融まで幅広い業種の企業が、日々の業務にAIを取り入れるよう社員に促している。社員の利用量を把握している企業もあれば、利用度合いを報酬に反映させることを検討している企業もある。

ウォルマートは、サプライチェーン管理から買い物体験に至るまで、事業全般へのAI導入で同業他社の多くに先行してきた。同社は低価格と迅速な配送、豊富な品ぞろえを強みに市場シェアを伸ばしてきた。

原題:Walmart Caps Usage of an AI Tool for Employees After High Demand(抜粋)

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