コンゴ民主共和国(旧ザイール)はエボラ出血熱の流行が3州に広がり、接触者の追跡が追いつかなくなる中、東部都市ブニア発着便の運航を停止した。また周辺国の保健相は国境を越えた感染拡大リスクが高まっていると警告した。

コンゴ当局によると、22日時点で確認された感染者は91人、感染疑い例は867件、死亡の可能性がある事例は204件に上った。監視対象として特定された接触者1745人のうち、追跡できているのは約2割にとどまり、当局は「憂慮すべき状況」だと説明している。

感染拡大を受け、コンゴの運輸省は23日、流行地の一つであるブニア発着の商業便、私用機、特別便を停止すると発表した。ブニアはウガンダ国境に近いイトゥリ州にある。ただ人道支援や医療目的の便については、特別な許可を得れば運航を認める場合もあるとしている。

こうした措置は、エボラウイルスの「ブンディブギョ株」がコンゴ東部から周辺国へ急速に広がっている状況を浮き彫りにしている。既に脆弱(ぜいじゃく)な医療体制への負荷が高まっている。また、珍しいタイプのブンディブギョ株には承認済みワクチンや抗体医薬品がないため、当局は基本的な公衆衛生対策に大きく依存せざるを得ない状況だ。

米国も23日、エボラ出血熱への対応を拡大した。コンゴ、ウガンダ、南スーダンからの入国者に対し空港検査を強化するほか、新たな緊急資金拠出、医療物資の輸送、感染拡大地域への災害対応チーム派遣を発表した。

アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)のジャン・カセヤ事務局長は、感染症対策で主要手段の一つであるワクチンなしで対応を迫られていると指摘した。現在の対策は地域住民への働きかけや感染防止に向けた行動の見直しを促す取り組みに大きく依存していると述べた。

今回の流行は、2014-16年の西アフリカでの流行に次ぐ「2番目の規模」とされる。カセヤ氏によると、既存ワクチンで部分的な防御効果が得られるとの期待も、ここ数週間で後退した。

同氏はインタビューで、ワクチンは「兵士のようなものだ」とし、「弾薬を持たずに戦場に向かうような状況だ。公衆衛生対策に頼らざるを得ない」と語った。

周辺国の警戒感は23日に一段と強まった。コンゴ、ウガンダ、南スーダンの保健相はカンパラでアフリカCDCや世界保健機関(WHO)の当局者と会合を開き、国境を越えた感染拡大への対応を協議した。各国は共同声明で、管理の緩い国境、鉱山地帯や交易ルート、人道危機、人口移動が、東・中部アフリカ全域への感染拡大リスクを高めていると警告した。

ウガンダでは既に、今回の流行に関連する感染者が5人確認されている。

原題:Ebola Spreads Across Congo as Flights Halted, Supplies Run Low(抜粋)

--取材協力:Shamim Adam、Michael J Kavanagh、Michael Heath.

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