(ブルームバーグ):セブン&アイ・ホールディングス(HD)は25日、元会長兼最高経営責任者の鈴木敏文氏が18日に心不全のため死去したと発表した。セブン-イレブンを世界最大級のコンビニチェーンに育て上げた功労者だった。93歳だった。
現在は同社の名誉顧問を務めていた。通夜と葬儀は遺族の意向で、近親者だけで執り行う。後日、お別れの会を開催する予定としている。
鈴木氏はイトーヨーカ堂の社員として1974年、当時北米で展開していたセブン-イレブンを日本に持ち込み東京・豊洲に開店。本人の著書 『売る力』によると、国内小売店のほとんどが小規模の家族経営かスーパーマーケットだった時代に、当時としては異例だった24時間営業や年中無休を始めた。
また小口配送や異なる製造元による共同配送などで慣例を打ち破りながら、コンビニエンスストアという業態で世界最大の小売りチェーンを築き上げた。
際だって知られるのが単品管理だ。購買データをもとに売れる商品と売れない商品を見極め、その背景を検証していく。時代が変わりゆく中で顧客に求められる商品を追い求め続けてきた姿勢が、今日の便利さにつながった。
弁当などの食品がおいしくなかったら、直ちにすべての店頭から本部の負担で20分以内に撤去させる。カリスマ性とリーダーシップは業界の語り草だ。店舗あたりの一日の売り上げで今でもライバルに大差をつけている背景に、徹底した顧客主義と確かな経営感覚があった。
後継者選定を巡って社内の同意を得られなかったことなどを理由に、2016年に突然の退任。セブン&アイはその後、アクティビスト(物言う株主)に揺さぶられながら長い構造改革の道を歩むことになる。24年にはカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けた。
祖業のイトーヨーカ堂を含め、グループのスーパー事業を中心に構成される中間持ち株会社ヨーク・ホールディングスは、持分法適用会社となった。今ではコンビニがセブン&アイの主軸だ。
晩年は都心のホテルで暮らしながら、時折訪ねる元幹部社員らとの会話に花を咲かせたという。スティーブン・デイカス社長が今後いかにコンビニ事業のかじ取りをするのか、泉下で行く末を見守っている。
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