原油市場の参加者の間では、今後1年間の原油価格は1バレル=100ドル近辺で上値を抑えられるとの見方が強まっている。イランを巡る戦争によって数百万バレル規模の供給喪失が生じる一方、需要も抑制されるためだ。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)が今月、資産運用会社やエネルギー市場の専門家などを対象に調査を行い、126人から回答を得た。

調査によると、市場参加者の過半数は、ブレント原油価格が今後12カ月で平均81-100ドルになると予想している。また回答者の約3分の2は、原油には今後何年にもわたり1バレル=5-15ドルの地政学的リスクプレミアムが上乗せされ続けるとみており、20ドル超と予想する回答は少数だった。

BIのサリフ・イルマズ氏やウィル・ヘアーズ氏らアナリストは、この結果について「地政学リスクが持続的なものと見なされている一方で、長期的な価格体制を根本的に変えるほどではないと市場が考えていることを示唆している。むしろ回答者は、需給が徐々に再均衡し、価格が比較的安定した範囲内に収れんしていくと想定しているようだ」と分析した。

調査では、今後1年間に供給不足を相殺する最も可能性の高い動きとして「需要崩壊」が挙げられ、貿易ルートの変更、 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスによる政策調整、戦略備蓄の放出が続いた。回答者の大半は、世界の供給混乱規模を日量300万-700万バレルと予想し、1000万バレル超の供給停止を見込む声は少数だった。

イラン戦争は12週目に突入し、ホルムズ海峡を通る船舶の通行は著しく制限され、世界のエネルギー価格と物価を押し上げている。BIの調査によると、同海峡を通る輸送量は制限された状態が続くと見込まれるが、完全に途絶えるほどではない。回答者のほぼ半数が、今後12カ月間の輸送量は通常の1日2000万バレルの51-75%程度になると予想している。

供給のひっ迫を示す兆候があるにもかかわらず、原油のスポット価格は比較的落ち着いている。

トレーダーが強気な投資にどれだけ支払うかを示す「コール・スキュー」は、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)とブレントで戦争開始前以来の水準に縮小した。ヘッジファンドも強気ポジションを同時期以来の最低水準まで削減した。

こうした動きは、市場が価格上昇を追いかけるより、ボラティリティーの管理に重点を置いていることを示唆している。回答者の約4分の1がヘッジやリスク管理活動の増加を見込んでいる一方、より機会主義的なリスクテイクが増えると見ているのは15%だった。

米国のシェール生産については、回答者の大半が今後数年間で緩やかな増加を見込んでいる一方、3分の1近くは生産量が概ね横ばいで推移すると予想している。生産量の急増や大幅な減少を予測しているのはごく少数にとどまった。

原題:Oil Near $100 Seen as Base Case for Next Year With Iran War (1)(抜粋)

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