(ブルームバーグ):世界の原油・石油製品在庫が今月、過去最大のペースで取り崩されている。中東での戦争の影響で供給が制限されているためだ。ゴールドマン・サックス・グループが指摘した。
ユリア・グリグスビー、ダーン・ストルイベン両氏らアナリストがまとめた20日付のリポートによると、確認可能な在庫の減少は5月に入り日量870万バレルと、過去最大に達した。これは中東で戦争が始まってからの平均のほぼ2倍だ。
アナリストらは、ホルムズ海峡を通る原油輸出が「通常時の5%という極めて低い水準にとどまっており、現物市場の逼迫(ひっぱく)が続いている」と分析した。同海峡はイランと米国の双方による封鎖の影響を受けている。
今回の戦争は世界のエネルギー市場を大きく揺さぶっている。供給面で前例のないショックをもたらし、危機前に積み上がっていた在庫の急速な取り崩しにつながった。各国政府も価格上昇を抑えるため、戦略備蓄の協調放出に踏み切っている。
国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長も先週、民間の石油在庫減少が加速していると警告した。IEAは、たとえ戦争が近く終結したとしても、市場では10月まで「深刻な供給不足」が続くと予想している。
ゴールドマンのアナリストによると、5月の在庫減少の約3分の2は、洋上在庫の減少が要因で、輸入以上に輸出の落ち込みが大きかった。輸入減少は「アジアから欧州に広がっており」、欧州のジェット燃料輸入は2025年平均を6割下回ったとしている。
米国では、戦略石油備蓄(SPR)を含む全国の原油在庫が先週、1780万バレル減と過去最大の落ち込みとなった。記録的な輸出で在庫取り崩しが進んでいる。オクラホマ州クッシングの原油集積地の在庫も、「タンクボトム」にじわじわと近づいている。
原題:Goldman Says Global Oil Stockpiles Falling at Record Pace (1)(抜粋)
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