米エヌビディアが示した5-7月(第2四半期)の売上高見通しに対し、投資家は鈍い反応を示した。一方で、同社のデータセンター向け売上高は急拡大が続いた。

20日の発表資料によると、5-7月期売上高は910億ドル(約14兆5000億円)となる見通し。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均の870億ドルは上回ったものの、予想レンジ上限の960億ドルには届かなかった。

エヌビディアは株主還元も強化した。四半期配当を1株当たり1セントから25セントへ引き上げたほか、800億ドル規模の自社株買いも発表した。

ジェンスン・フアンCEOはAIインフラ構築が「異例のスピードで加速している」と述べた

今回の見通しは、エヌビディアの業績が市場予想を大幅に上回る状況に慣れていた投資家を落胆させた。AIコンピューティング分野で築いてきた支配的地位が、初の大きな挑戦にさらされている。さまざまな半導体メーカーが、同社事業の一角を切り崩そうとしている。

調査会社Eマーケターのアナリスト、ジェイコブ・ボーン氏はリポートで、「エヌビディアは今回も予想を上回ったが、予想を超える四半期業績が常態化している現状では、それはほぼ株価に織り込み済みだ」と指摘。「残る焦点は、AIインフラ整備の勢いが2027年と28年まで持続すると投資家を説得できるかどうかだ」と述べた。

決算発表後の時間外取引で、エヌビディアの株価は一時1%未満の下落となった。同社株は今年に入り20%上昇しており、S&P500種株価指数を上回る一方、主要な半導体銘柄の多くに後れを取っている。

依然として優位

エヌビディアは、AIモデル開発に利用されるチップであるAIアクセラレーター分野で最大手とされる。ただ、ハイテク業界で競争は激しさを増している。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は対抗するプロセッサーを投入し、ブロードコムやアルファベット傘下のグーグルも独自技術で市場に攻勢をかけている。

もっとも、現時点でエヌビディアは優位な立場にある。ウォール街では、同社が今年の半導体業界全体の売上高の3分の1超を占めると予想されている。ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、需要が近い将来にわたり堅調に推移する中、同社が前例のない成長を続けるとの主張を維持している。

フアン氏は発表資料で、「AIファクトリーの構築は、人類史上最大のインフラ拡張であり、異例のスピードで加速している」と述べた。

エヌビディアの売上高の中核を占めるデータセンター向け支出にも、減速の兆しは見られていない。ハイパースケーラーは今年、AI分野に計約7250億ドルを投じる計画だ。

2-4月期

2-4月(第1四半期)売上高は85%増の816億ドルだった。アナリスト予想平均は792億ドル。一部項目を除く1株利益は1.87ドルとなり、市場予想の1.77ドルを上回った。調整後粗利益率は75%だった。

売上高の内訳は主力のデータセンター部門が752億ドルとなり、市場予想の735億ドルを上回った。データセンター部門の一部であるネットワーク事業は148億ドルで、市場予想の127億ドルを超えた。

予想によると、エヌビディアの今年の売上高は3700億ドルを超える見通し。この規模は2021年度比で約22倍に相当する。四半期ベースの売上高は、同社に次ぐ上位3社の合計を大きく上回っている。

原題:Nvidia Gets Tepid Reaction to Forecast, Ups Investor Rewards (1)、Nvidia Gets Tepid Reaction to Forecast, Boosts Investor Rewards(抜粋)

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