人工知能(AI)データセンターブームに絡む借り入れが、ウォール街で潜在的な信用リスクとして急速に警戒され始めている。投資家の間では、急ピッチで進む資金調達が次の市場混乱の火種になりかねないとの懸念が強まっている。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)が今月実施した世界のファンドマネジャーを対象とした調査によると、AIハイパースケーラー(大規模データセンター運営企業)の設備投資を将来的なシステミックな信用イベントの最大要因として挙げたのは約34%に上り、割合は4月から倍増した。一方、米プライベートクレジットを最大の懸念材料とした回答の割合は42%で、前月の57%から低下した。

調査結果は、投資家が市場最大の信用リスクとみなす対象が急速に変化していることを示している。テック企業は昨年初め以降、AI投資向け資金を確保するため、米投資家から3000億ドル(約48兆円)超を借り入れている。銀行関係者は今後数カ月でさらに数千億ドル規模の調達が続くと予想している。AIインフラ投資の収益性がなお不透明な中、企業が前例のない規模の債務を積み増していることが懸念されている。

JPモルガン・チェースのレバレッジドファイナンス部門マネジングディレクター、デービッド・デボルツ氏は19日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「案件規模は本当に指数関数的に拡大している」と指摘。「誰もが、これら案件向けに資金をどこへ配分するか、どれだけの現金を確保する必要があるかを検討している」と述べた。

動画:JPモルガンのデボルツ氏のインタビュー

BofAの世界ファンドマネジャー調査は、5月8-14日に150人超を対象に実施された。

将来的な信用イベントの要因として、米消費者信用を挙げた回答は6%、日本国債は4%、暗号資産(仮想通貨)とステーブルコインは2%だった。

より広範なテールリスクでは、40%がインフレ再燃を最大の脅威と回答。地政学的衝突が20%、債券利回りの無秩序な上昇が18%、AIバブルが11%、プライベートクレジットが6%だった。

デボルツ氏は、AI関連投資のリスクへの懸念が強まる一方、AIによって事業が脅かされる可能性のあるソフトウエア企業への融資に金融機関は慎重姿勢を強めていると指摘。その結果、AI技術に直接関連する企業により多くの資金が向かっていると述べた。

原題:AI Data Center Borrowing Rapidly Climbs Wall Street’s Risk List(抜粋)

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