(ブルームバーグ):米モルガン・スタンレー日本法人の田村アルベルト社長は20日、ブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、円相場が1ドル=140円程度まで上昇することを期待しており、その実現には日本銀行の対応が重要との認識を示した。
日銀が6月に利上げを実施しなければ、債券市場や為替市場に影響が及ぶと述べた。今後の展開次第では、円相場が1ドル=170円まで下落する可能性もあれば140円台に上昇する可能性もあると述べた。時期については明言しなかった。

田村氏は「一部の投資家は日銀の対応は後手に回っているとみている。まずは行動を起こすことが第一歩になることを期待している」と指摘。その上で、「世界情勢が安定すれば、それも円高要因となり得る」との見方を示した。
円相場は、日本の通貨当局が一連の為替介入を実施した先月下旬以降も、なお下押し圧力にさらされている。投資家はインフレや財政政策への懸念が国債相場の下落を招く中、日銀が来月、利上げに踏み切るかどうか注視している。
田村氏は日本の当局は、現在の水準から大幅に円安が進むことは望んでいないとの見方を示した。円相場は20日午前の東京市場で1ドル=159円台前半で取引されている。

片山さつき財務相は19日、パリでの主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の後、円相場について「断固たる措置を取るときは取る」と述べた。4月30日以来の安値水準にあった円相場は、この発言を受けて対ドルで上昇した。
債券・為替市場での変動率の高まりは、日本で事業展開する証券会社の業績を押し上げる要因の一つだ。企業行動の活発化に伴う関連業務の増加も追い風となっている。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)との合弁証券会社の一つであるモルガン・スタンレーMUFG証券は、2026年3月期の純営業収益が4年連続で過去最高を更新する可能性が高いと、田村氏は1月のインタビューで述べていた。
人手不足を背景に人材の確保が難しくなっている日本国債トレーダーについて、田村氏は「引き続き採用競争の対象になっている」と述べた。ただ、人材引き抜きのピークは「おそらく24年から25年にかけてだった」との見方を示した。
また田村氏は、モルガン・スタンレーの筆頭株主であるMUFGとの協業を「今後、何年にもわたり」継続していくと語った。両社の合弁証券2社が、純営業収益ベースで野村証券を抜いて日本最大の証券会社になることを目指している。
田村氏はその目標達成の時期については明言しなかった。ただ、「日本でトップの証券会社になることに非常に強く力を入れており、それがわれわれの究極的な目標だ」と述べた。「その実現に向け、引き続き取り組んでいく」としている。
(田村氏の発言や背景を追加して更新します)
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