JX金属は総額2500億円のユーロ円建て転換社債型新株予約権付き社債(CB)について、発行価格を仮条件の上限に決定した。事情に詳しい複数の関係者によると、投資家からは募集総額の8倍以上の需要が集まり、CBに対する引き合いの強さを示す案件となった。

発表によると、発行価格は3年債が額面金額(1000万円)の113.25%、5年債は114%に決まった。発行額は各1250億円。ブルームバーグが確認したタームシートによると、仮条件の水準は案件公表時から引き上げられ、それぞれ111.5-113.25%と112-114%だった。

転換価額は4860円。転換価格が発行時の株価に対しどれだけ上回るかを示すアップ率は20%に設定されていた。付帯条項により、JX金属は株価が一定期間、転換価額の1.3倍を上回る水準で推移している場合に繰り上げ償還ができる仕組み。3年債は発行から2年後、5年債は3年後以降に繰り上げ償還が可能になる。

情報が非公開のため、匿名を条件に明かした関係者によると、購入したのはCBの裁定取引を行う専門ファンドや既存株主。3分の1はJX金属のファンダメンタルズに期待し、将来的な株式への転換を視野にCBを買い持ちするアウトライトファンドに販売されたという。

大和証券グループ本社、野村ホールディングス、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス・グループがブックランナーを務めた。

金利が上昇する中、資金調達でCBを検討する日本企業は増えている。ブルームバーグの集計データによると、年初来の発行額はJX金属を除き7500億円と、2004年以来の高水準に膨らんだ。イラン情勢を背景としたインフレ加速への懸念から債券利回りは世界的に急上昇し、日本の30年国債利回りは18日に1999年の発行開始以降の最高水準を更新した。

日本企業は利払いのないゼロクーポン型のCBを発行することが多く、金利負担が低いことなどを理由に資金調達手段として選択する事例が増えている。大型案件では日本製鉄が6000億円、アドバンテストが1000億円のCBを発行した。

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