(ブルームバーグ):韓国・安東を訪問した高市早苗首相は19日、李在明大統領と会談し、エネルギー安全保障面での協力推進で一致した。原油や石油製品、液化天然ガス(LNG)の相互融通などに向けた検討を進める。
会談後、高市首相が共同記者発表で表明した。備蓄強化などを通じたインド太平洋地域のエネルギー供給強じん化でも合意した。日韓協力を立ち上げ、具体的な行動を共同で検討する。「地域のサプライチェーンを支えるために、日韓が連携して役割を果たしていくことが重要」だと強調した。
経済安全保障分野での協力推進で一致した1月の会談以降、イラン戦争を受けたホルムズ海峡の事実上の封鎖など、国際情勢は大きく変化した。首脳間のシャトル外交の一環として行われた今回の会談で、原油をはじめとする資源を輸入に依存する両国が共通課題に協力していくことを確認した形だ。
李大統領は共同記者発表で、高市首相の訪韓は両国間の強固な関係を示していると歓迎の意を示し、未来志向の協力を期待すると語った。
中東依存
日本は約9割、韓国は7割と両国は共に原油の中東依存度が高い。3月末に韓国は電力使用の抑制を国民に呼びかけ、公務員を対象に運転制限も導入している。ナフサに対しても輸出制限措置を講じ、調達先の多角化も進めている。
一方で、日本政府は4月、アジア域内の原油・石油製品調達を後押しするため、約100億ドル(約1.6兆円)の金融支援を打ち出した。「パワー・アジア」と名付けられたこの枠組みには、韓国も参加している。
米中首脳会談
両首脳の会談は3回目となる。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて昨年10月に行われた初会談では、両首脳は日韓関係を重視する姿勢を見せた。
今年1月には李大統領が高市首相の地元奈良県を訪問。供給網(サプライチェーン)協力に関する「踏み込んだ議論」を受け、両国は3月には協力覚書を締結した。今回の会談では、3月の覚書を踏まえ「積極的に協力を推進」することを確認した。
中東情勢を巡っては、ホルムズ海峡の自由で安全な航行の確保を含む事態の沈静化のため、それぞれが引き続き努力していくことで一致したという。その他、人工知能(AI)や組織的詐欺への対応での協力も確認した。
今回の会談はトランプ米大統領と中国の習近平主席が北京で会談してから数日後に行われた。米中の融和ムードは、この地域で不測の事態が発生した場合、米国がどの程度積極的に関与する意思があるかについて懸念を招く可能性がある。
北朝鮮の核ミサイル開発は日韓両国にとって脅威となっている。日中関係は高市首相による昨年11月の台湾有事を巡る国会答弁を契機に冷え込んだままだ。北朝鮮への対応について両首脳は、日韓、日韓米で緊密に連携して対応していくことを改めて確認。李大統領は、中国との3カ国協力も重要だと述べた。
外務省によると、この後両首脳は夕食会に臨む。奈良でのドラムセッションに続き、両首脳の親睦を深めるためのイベントも予定されているという。安東は李大統領の故郷でもある。
(共同記者発表の内容を追加しました)
--取材協力:村上さくら、横山恵利香、岩城伸也.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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