イラン戦争の終結に向けた交渉の行方は不透明な状況が続いている。米国とイラン双方が、新たに示された提案について不十分だとして受け入れを拒否しているためだ。

トランプ米大統領はニューヨーク・ポスト紙に対し、イランへの譲歩に「応じる考えはない」と述べ、軍事行動再開の可能性を改めて示唆した。

ニュースサイトのアクシオスによると、イランが17日に仲介国パキスタンを通じて示した提案についてホワイトハウスは、高濃縮ウラン備蓄の引き渡しや追加濃縮の停止に関する具体的な確約が盛り込まれておらず、有意な改善を欠いていると判断した。米高官と事情に詳しい関係者の話として伝えた。

一方でイラン側も、米国の要求は依然受け入れられないとの認識を示している。イランは主要な要求で譲歩する姿勢を示しておらず、凍結資産の解除や戦争被害への補償支払いも求めている。

ホルムズ海峡に停泊する船舶(16日)

戦争によりホルムズ海峡を通じた原油輸出がほぼ途絶える中、トランプ氏はイランに対し、合意に応じなければ攻撃を再開すると圧力を強めている。イランも報復を続ける構えだ。アラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電所では、ドローン攻撃により火災が発生し、脆弱(ぜいじゃく)な停戦の危うさが改めて浮き彫りとなった。

外交交渉を巡って相反する報道が相次ぎ、金融市場には緊張感が広がっている。北海ブレント原油先物は一時、1バレル=111ドルまで上昇。S&P500種株価指数は前週末終値比でプラス圏に浮上する場面もあったが、その後は下落に転じた。エネルギー価格上昇によるインフレ懸念を背景に、世界の国債利回りは数年ぶりの高水準圏で推移している。

イランの準国営タスニム通信はこれに先立ち、米国がイラン産原油に対する制裁の一時免除を提案したと報じた。原油制裁の免除は、和平合意とホルムズ海峡の再開に向け、イラン側が求めていた主要条件の一つだ。一方、匿名を条件に取材に応じた米当局者は、この報道は事実ではないと述べたが、詳細には言及しなかった。

タスニム通信によると、イランは米国の要求はなお過大だとし、核開発計画を犠牲にしてまで戦争終結に応じることはないとの立場を示した。

原油高はトランプ政権への圧力を強めている。米財務省は18日、ロシア産原油の販売を認める制裁適用除外措置をさらに30日間延長すると明らかにした。ベッセント財務長官はX(旧ツイッター)への投稿で、この措置により「海上で滞留しているロシア産原油への一時的なアクセスを、最も脆弱な国々に提供する」と説明した。

サウジアラビアは、イランの支援を受ける武装勢力が多数存在するイラクから17日に領空へ侵入したドローン3機を迎撃・破壊したと発表した。これらがUAEへの攻撃の一部だったかどうかは明らかになっていない。

ロイター通信によると、パキスタンはサウジアラビアに8000人規模の部隊と戦闘機部隊、防空システムを配備した。両国の防衛協定に基づく措置だという。

原題:US and Iran Still at Odds Despite Renewed Diplomatic Efforts (1)(抜粋)

--取材協力:Catherine Lucey.

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