米国債市場では戦争に伴うインフレ懸念が強まり、30年債利回りが5%を超え、金利高止まりは新たな局面に入りつつある。

米国債はこの1週間で約1年ぶりの大幅安となった。原油価格が再び上昇したことに加え、経済指標で先月のインフレ加速が示された。インフレ再燃懸念は世界の債券市場を揺るがし、英国や日本などに波及した。今週開かれる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でも、債券の下落が議題になる見通しだ。

米国債下落は15日の米株式相場の重荷にもなった。市場では米金融政策の見通しも変化し、来年3月までの利上げをほぼ織り込む状況となった。2月下旬時点では、2026年中に0.25ポイントの利下げが2回実施されるとの見方が優勢だったが、イラン情勢を受けて債券市場のシナリオは一変した。

投資家の間では、中東情勢の緊迫でホルムズ海峡の原油輸送が滞る限り、債券市場への圧力が続くとみられている。

JPモルガン・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、プリヤ・ミスラ氏は「今回の値動きは二つの点で懸念される。長期金利の上昇が世界的な現象で、それが相互に影響し合っていること。そして、米利上げ観測が市場のシナリオに入り始めていることだ」と指摘。

その上で、「ホルムズ海峡の混乱が収まらない限り、金利レンジは一段切り上がった状態にある」と分析した。

足元の米国債利回りは、2月末時点より0.5ポイント以上高い水準にある。2年債利回りは4.07%と、2025年初め以来の高水準。10年債利回りは4.59%と、先週だけで約0.25ポイント上昇し、昨年4月以来の大幅な上げとなった。

原題:Bond Traders See Tipping Point Toward New Era of Higher Yields(抜粋)

--取材協力:Edward Bolingbroke、ジョン・チェン.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.