(ブルームバーグ):ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏は、米国が自国の利益などを守るために戦う世界的な大国としての信頼を失いつつある一方、中国は富と影響力を蓄積しており、世界各国の米中に対する見方が根本的に変わりつつあるとの認識を示した。
ダリオ氏はブルームバーグテレビジョンの番組「ウォールストリート・ウィーク」で、デービッド・ウェスティン氏とのインタビューに応じ、「現在、そうした認識が変わりつつある」と語った。
ダリオ氏によると、米国は80カ国に約750カ所の軍事施設を持ち、攻撃を受けた際には頼れるパートナーと長らく見なされていた。しかし、アジア各地を約1カ月かけて訪れ、中国では10日間にわたり有力者らと意見を交わした結果、各国が「米国はその戦争を戦う上で頼りにならない」とますます考えるようになっているとの重要な変化を感じたという。

ダリオ氏が発言した週には、トランプ米大統領が中国の習近平国家主席と会談していた。同氏のコメントは、中国に対して米国の影響力が低下しているという従来からの持論を改めて強調するものとなった。
この見方は、ブリッジウォーターを通じた中国での経験に基づくため重みを持つ一方、中国指導部との関係を巡っては批判も招いてきた。
ダリオ氏(76)によれば、中国にとって重要なのは、こうした新たな影響力が世界的に認識されることだ。中国経済は現在、米の60-70%規模に達しており、過去20年で3倍超に拡大した。中国は他国を征服したり、占領したりすることを目指してはいないものの、各国首脳が訪中し、中国の影響力を認めることを極めて重視しているという。
ダリオ氏は、「多くの首脳が中国を訪れている」と指摘。「歴史上存在した朝貢体制のようなもので、力の差を認める形で訪れている」と話した。
これはインタビュー中、同氏が繰り返し言及したテーマでもある。
「この朝貢体制は階層的なシステムだ」とダリオ氏は語り、「他国との関係で重要なのは、それが自国の貿易や安全保障にどう影響するかだ。そして今、われわれは、相対的な力関係が重要となる朝貢体制型の秩序に入りつつある。少なくとも彼らはそう考えている」と述べた。
ダリオ氏によると、この変化は市場にも直接的な影響を及ぼす。投資家は通貨価値がリスクにさらされる不安定な時代を乗り切る必要があり、そうした中では流動性の確保や金を含む分散投資が重要になるとした。
原題:Ray Dalio Says China’s Ascent Ushers In Era of ‘Tribute System’(抜粋)
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