(ブルームバーグ):スイスのカジュアル時計ブランドのスウォッチと高級時計ブランドのオーデマピゲのコラボレーション「ロイヤルポップ」の発売で、世界各地の店舗に長蛇の列ができた。中には混雑が危険な水準に達したため、販売やイベントを中止した店舗もあった。
スウォッチはドバイの2店舗で、安全上の理由から販売を取りやめた。英国やフランスの複数都市でも同様の措置を取った。米国でもニューヨーク、ロサンゼルス、オーランドなど約20店舗を閉鎖。ニューヨークのタイムズスクエア店前で逮捕者が出たと報じられ、混乱の様子を伝える映像や写真がソーシャルメディアで拡散された。
スウォッチはインスタグラムで欧米、中東の複数店で販売を中止したと説明し「顧客とスタッフの安全確保のため、大勢で店舗に押しかけないでほしい」と呼びかけた。新モデルは数カ月にわたり販売されるという。
今回の商品はオーデマピゲの「ロイヤルオーク」をポップアート風にした8種類のポケットウオッチで、ペンダントやバッグチャーム、卓上時計としても使える仕様。価格は400〜420ドル(約6万3000円~6万7000円)で、高級ブランドと大衆向けブランドによる異例のコラボとして注目を集めた。一方で、腕時計ではなくポケットウオッチだったことに失望する声も多かった。

それでも人気は非常に高く、腕に装着したい需要の高まりを受けて、専用ストラップ製作に乗り出したメーカーもある。これに便乗する形で、人工知能(AI)で生成された偽SNSアカウントによる詐欺的なストラップ販売も増加した。
コラボ発表前には、ロイヤルオークのプラスチックバージョンへの期待から、スウォッチ・グループ株は15%上昇したが、正式発表後は上げ幅を一部失った。それでも中古高級時計市場のクロノ24やイーベイなどの転売マーケットには、1000ユーロ(約18万円)を優に超える売値での出品が相次いでいる。
オーデマピゲのイラリア・レスタ最高経営責任者(CEO)は「われわれは明らかに大胆に動くことで、機械式時計への関心と話題を生み出している」と14日のインタビューで話した。「時代遅れになったり、変化にさらされたりしかねないカテゴリーの制約を乗り越える必要がある。そのためには教えと説明、愛情と情熱を生み出さなければならい」と語った。

原題:Swatch Shops Shut as Audemars Piguet Collaboration Causes Mayhem(抜粋)
--取材協力:Vincent Lee.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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