中国はホルムズ海峡の早期再開を求め、これは米国とも共有する目標となっている。ただ、トランプ米大統領の北京訪問後も、その実現の方法を巡り、両超大国間で打開策が見いだされた兆候はない。

中国国営新華社通信によると、王毅外相は15日、可能な限り早期にホルムズ海峡の航行が再開されるべきだと述べた。世界のエネルギー輸送の要衝の同海峡では、イランと米国の双方が船舶の航行を妨げている。

トランプ氏と中国の習近平国家主席の14、15両日の会談で、米中は中東紛争を巡る一致点を強調しようと努めた。もっとも、中国は同盟国イランに対する米国・イスラエルの攻撃を繰り返し批判しており、米中は実質的に対立する立場にある。

イランでの戦争が解決への明確な道筋を欠いたまま12週目に向かい、原油相場は15日も上昇した。

トランプ氏は中国からの帰路、イラン産原油を購入する中国石油会社への制裁解除の可能性について習氏と協議したことを記者団に明らかにした。

米財務省は、イランとの協議で同国への圧力を強めるため、過去数週間に制裁を強化。一方、中国政府は国内企業に対し、制裁を無視するよう指示している。

中国はイラン産原油の最大の輸入国で、同国での戦争は米中首脳会談に影を落とした。

トランプ氏は大統領専用機で、制裁解除を検討するかとの記者団の質問に対し、「今後数日以内に判断するつもりだ」とコメント。その上で、「その件については協議した」と語った。

こうした発言があっても、ホルムズ海峡を再開し、世界のエネルギー価格を引き下げ、11月の米中間選挙を前に、原油供給の混乱を引き起こしている紛争をどのように終わらせるか、ホワイトハウスが直面する難題解決の糸口はほとんど見つかっていない。

北海ブレント原油先物は3%余り上昇し、1バレル=109ドル超で取引を終えた。戦争開始以降の上昇率は約50%に達している。トランプ氏の中国訪問で、ホルムズ海峡の再開計画に具体的進展がなかったことで、市場では米国とイランの軍事衝突がさらに激化するとの懸念が生じている。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の防衛担当、ベッカ・ワッサー氏は15日のリポートで、「交渉は行き詰まり、散発的に交戦が発生し、ホルムズ海峡閉鎖の長期化の経済的コストは増大している」と指摘。「攻撃再開の脅しは続いており、現状維持はますます持続不可能になっている。BEは軍事衝突への回帰の公算が大きいとみている」との分析を示した。

動画:米中首脳会談でのイランを巡る協議についてのリポート

トランプ氏は北京で、自身と習氏は紛争解決に向けた目標を共有していると述べた。具体的には、ホルムズ海峡を再開し、イランに核兵器を保有させないことだという。

トランプ氏は、海峡再開に向けてイランへ働きかけるよう習氏に明確には求めなかったものの、習氏はそうするだろうとの見方を示した。イランのファルス通信は14日、中国との協議を経て、イランが中国船舶の通航を認める方針だと報じた。

トランプ氏はFOXニュースのインタビューで、イランとの合意見通しについての質問に「相手は正しい人々だと思うが、合意することを恐れている。合意の仕方を分かっていない。こうした立場に置かれたことがこれまでなかったからだ」と話した。

米国は、ミサイル・核開発計画や中東の武装勢力への支援の停止など、複数の問題でイラン側の譲歩を求めている。だが、現時点で合意の現実的な可能性があると考えられるのは、イランの高濃縮ウラン備蓄を巡る協議を先送りすることに限られそうだ。双方とも、この問題は後の段階で扱うべきだと示唆している。

イランのアラグチ外相は15日、インドでの記者会見で、高濃縮ウラン問題について「非常に複雑だ」とし、イランとして「米国側と交渉後半まで先送りするとの結論に達した」と説明した。

一方、トランプ氏は大統領専用機で、「適切な時期」に米軍を派遣し、イランのウランを除去する用意があると語った。これに先立つFOXニュースのインタビューでは、そのような任務について、実質的な意味合いというより「広報向けの側面が強い」とも述べていた。

原題:Trump, Xi Project Hormuz Alignment Despite No Iran Progress (2)(抜粋)

--取材協力:Devika Krishna Kumar、Patrick Sykes、Omar Tamo、John Harney、Courtney Subramanian.

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