(ブルームバーグ):中東紛争で重要な海上輸送路が遮断され、エネルギー価格が高騰する中、米ドルと原油価格の相関がかつてないほど強まっている。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数と北海ブレント原油先物の相関は、同指数の算出が始まった2005年以降で最高水準に達した。ドルと原油の連動性は、過去20年余りで最も高まっている。
こうした正の相関は歴史的に見て異例だ。原油取引の大部分が米ドル建てで行われる「ペトロダラー」体制下では、通常、ドル高は原油需要を抑制すると想定される。しかし、中東紛争がドルと原油の価格を同時に押し上げている。
14日のニューヨーク市場でブルームバーグのドル指数は一時0.3%上昇し、上げ幅を拡大した。北海ブレント原油先物も同程度の上げとなった。投資家はトランプ米大統領と習近平・中国国家主席による会談の進展を注視している。

2月末に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始し、イランがホルムズ海峡の通航を事実上遮断して以降、北海ブレント原油は約45%急騰した。国際エネルギー機関(IEA)は今週、市場では10月まで「深刻な供給不足」が続くとの見通しを示した。
一方、ブルームバーグのドル指数は約1%上昇した。投資家の間では、米国が世界最大の産油国である点や、ドルが世界の原油取引の基盤となっている事実が意識されている。ドルと原油の相関は、2026年1-3月(第1四半期)の大部分で負の相関だったが、3月初めに正に転じて以降、その傾向が定着している。
スペクトラ・マーケッツのブレント・ドネリー社長は「マクロ経済が相場を動かす時期もあれば、現在のように地政学やニュース、リスク選好、モメンタムが主導する時期もある」と指摘。「今のテーマは原油価格動向だ」と述べた。
こうした環境下では、金利差や成長率データといった、投資家が長年重視してきた為替レートのファンダメンタルズに基づく取引は困難となっている。
ING銀行の外国為替戦略責任者、クリス・ターナー氏は今週のリポートで「株式市場が急落しない限り、為替の小幅な動きは続き、原油相場の動向やインフレ高進に対する米連邦準備制度など中央銀行の反応に左右されることになる」と記した。
原題:Dollar’s Link to Oil Most Positive Ever Amid Iran Conflict (1)(抜粋)
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