(ブルームバーグ):今週の円相場は対ドルで1%以上下落し、日本の通貨当局が直近で市場介入を実施した後の安値を更新した。為替トレーダーらの間では、再度の円買い・ドル売り介入が行われるリスクに警戒感が強まっている。
円は4月30日から日本の大型連休中にかけて行われた複数回の介入で上昇した分の既に半分以上を失った。東京時間5月15日の取引では一時1ドル=158円半ばまで下げ、週間では2カ月ぶりの下落率となる見込みだ。
12日には片山さつき財務相と来日した米国のベッセント財務長官が会談し、中東情勢を受けた金融市場の動向について議論した。緊密な連携も確認したが、市場は踏み込んだ発言はなかったと受け止め、円安の流れを助長した。
国際原油市況の高騰を受けたインフレ懸念の高まりやイラン戦争の継続、米経済統計の堅調などからドル買い需要が根強い上、依然として大きい日米の金利差を背景に円安圧力が続いている。中東の早期沈静化の可能性が見えず、日本銀行が政策金利を決める次回会合も6月中旬となるため、目先の円安を止める手段として当局による再介入の可能性が現実味を帯びる。
Tロウ・プライスでポートフォリオマネジャーを務めるビンセント・チョン氏は、日本の当局が再び介入に踏み切るリスクから、当面は円が対ドルで160円台に下落する可能性は低くなっていると言う。チョン氏は、さらなる介入の効果はドル安が同時に起こるかどうかで決まるとの見方も示し、日銀による利上げサイクルの加速も日米金利差の縮小につながると指摘した。
日本政府は円を下支えする介入を行ったかどうかについて直接的な言及を避けているが、事情に詳しい関係者によると、当局は4月30日に介入を実施。日銀が公表する当座預金増減要因のデータをブルームバーグが分析した結果、日本の大型連休が終わる5月6日までに最大10兆円超規模の介入が行われた可能性が高い。
日銀の増一行審議委員は14日、経済・物価・金融情勢に応じ引き続き利上げで緩和度合いを調整する必要があり、「景気下振れの兆しがはっきりとした数字で表れないのであれば、できる限り早い段階での利上げが望ましい」との認識を示した。
市場の金融政策見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)によると、日銀の6月利上げの可能性を7割強織り込んでいる。一方、通貨オプションを取引する投資家の相場観を示す1カ月物のドル・円のリスクリバーサルは引き続き円買いポジションに傾き、市場がさらなる介入の可能性を警戒する状況が示唆されている。
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