欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン理事は13日、ロンドンで講演し、来月に利上げを提案するかについて明言を避けた。

エネルギー供給ショックとその経済への影響、適切な対応に関する講演で、同氏は成長とインフレへの波及を慎重に見極めた上で判断する必要があると指摘した。自身の見解は示さなかったものの、6月の金融政策決定会合で協議される論点の一端を示した。

前回会合以降に発表された経済指標は、イラン戦争と原油価格高騰がユーロ圏に与えた影響について、明確な結論を示していない。当局者の間では、6月の利上げ支持に十分な材料がそろったと示唆する向きがある一方、行動には見通しのさらなる悪化が必要だとの見方もある。

レーン氏は「こうした複雑な状況にあって、適切な金融政策スタンスの決定には判断を伴う」と発言。「特に不確実性が強い環境では、こうした判断は会合ごとに、データに基づいて下すのが最善だ」と語った。

レーン氏は、今回のショックが内需にどのような影響を及ぼすかを詳細に検証する必要があると強調した。

ショックによって経済活動が抑制され、所得や利益が減少するほか、投資が遅れ、今後に備えて貯蓄を増やす動きにつながる可能性があるという。「こうした『需要破壊』が起きれば、金融政策スタンスを調整する必要性が抑えられる」と述べた。

一方で、積極的な対応が必要となり得る要因も複数あるとした。ショックが賃金や価格設定に影響する場合や足元の高インフレが継続的な物価上昇につながり、消費や投資を押し上げる場合、事実上のインフレ目標に対する見方が変わる恐れがある場合、政策金利の据え置きが理解されにくくなる場合などを挙げた。

エコノミストは来月に0.25ポイントの利上げを予想し、9月にも同様の追加利上げを見込んでいる。市場では年内3回の利上げが織り込まれている。

原題:Lane Reveals What May Tip the ECB Toward Rate Hike or Hold(抜粋)

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